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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

葵の上(アオイノウエ)

 地歌筝曲、山田流四つ物の一つ。。作曲は山田検校(ヤマダケンギョウ)、作詞は木の本屋辺遊となっている。山田検校作の中でも一番難しい曲といわれ、源氏物語第九帖「葵」を題材に謡曲「葵上」から移した物。謡曲からそのまま移しているので出唄は難しく、怨霊(六条御息所)の現れる合いの箏から凄みが加わり、女房が泣く所では鬼気迫るものがある。

げに世に在りし 古(いにしえ)は
雲上の 花の宴
春の朝の 御遊(ぎょゆう)になれ
仙洞の紅葉の 秋の夜は
月に戯れ 色香に染み
華やかなりし 身なれども
衰えぬれば 朝顔の
日陰待つ間の 有様に
ただいつとなく なき我が心
物憂き野辺の 早蕨(はやわらび)の
萌え出で初めし 思いの露
かかる恨みに 憂き人は
何を歎く(なげく)ぞ 葛の葉の
もつれもつれてな 逢う夜はほんに
憎くや憎くやは とりかねばかり
他に嫉み(そねみ)は なきぞなき
何なれ菜種の 仮寝の夢か
我に胡蝶の 花ずり衣
袖に散りぢり 露涙
ぴんと拗(す)ねても 離れぬ番(つがい)
しんき昔の 仇枕(あだまくら)
この上はとて 立ち寄りて
今の恨みは ありし報い
真意の焔(ほむら)は 身を焦がす
思い知らずや 思い知れ
恨めしの心や あら恨めしの心や
人の恨みの 深くして
浮き寝になかせ 給うとも
生きてこの世に ましまさば
水暗き 浜辺の蛍の 影よりも
光る君とは 契らん
わらわは蓬生(よもぎふ)の 
もと在らざりし 身となりて
葉末の露と 消えもせば
それさえことに 恨めしや
夢にだに 帰らぬ者を
我契り 昔語りと なりぬれば
なおも思いは 増鏡(ますかがみ)
その面影も 恥ずかしや
枕にたてる 破(や)れ車
うち乗せ隠れ 行かんとて
言う声ばかりは 松吹く風
言う声ばかりは 松吹く風
醒めて果てなく なりにけり

源氏物語 第9帖 「葵」

光源氏の最初の正妻。その為、六条御息所(ロクジョウノミヤスンドコロ)に嫉妬され、はては生霊となって呪い殺される。のちに夕霧を出産する。

儚しや 人のかざせる あふひゆえ 神のゆるしの けふを待ちける
かざしける 心ぞあだに 思ほゆる 八十氏人(やそじびと)に なべてあふひを

山田検校=関名は斗養一(とよいち)、山田流の創始者。1757~1817年
京都より江戸へ派遣された長谷冨検校(ハセトミケンギョウ)に学んだ山田松黒(ショウコク)から学び、江戸人好みの派手で粋な筝曲を創作して山田流を興した。それには、当時江戸で流行していた浄瑠璃や長唄・能・歌舞伎などの特徴を取り入れた独自の作風であった。自作曲の楽譜や歌詞の出版や、箏職人の重元房吉(シゲモトフサキチ)と協力し箏の改良も行い、現在主流の「素箏(山田箏)」を製作したりと邦楽発展に大きな影響をもたらした。

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