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楽曲解説 -カ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

海棠(カイドウ)

 宮城道雄(ミヤギミチオ)作曲の筝曲、歌詞は土井晩翠(ドイバンスイ)。歌曲としての小品ではあるが、古い形式を守りつつも新しい手法を取り入れようとして踏み出した意欲作。箏の調子は雲井調子。

盛りいみじき 海棠に
そそぐ重ねし 春の雨
花の恨みか 喜びか
問わんとすれど 露もだし
聞かんとすれば 花いはず
夕べ静かに 風吹きて
名残りの露は 払はれぬ
風の情けか 嫉みにか
問わんとすれど 露もだし
聞かんとすれど 花いわず

海棠=中国原産のリンゴに似た木で、江戸時代頃に日本に入ってきた。春、ソメイヨシノが散る頃に淡紅色の花を一杯に咲かせる。海棠の棠は、梨のことで海を渡ってきた梨ということで海棠。花言葉は「温和」「妖艶」「艶麗」「美人の眠り」。
別物に秋海棠(シュウカイドウ)というベゴニア科の花もある。

宮城道雄=大阪生田流、神戸・東京・ソウル・仁川など幅広く活躍。1894~1956年
神戸生まれ。明治35年に失明し、地歌筝曲の道に入った。弱冠11歳の時には中菅(ナカスガ)の芸名で師匠の代理稽古まで任されるほどの天才的なお箏の才能があった。その2年後には、朝鮮の仁川に家族とともに渡り、13歳で地歌筝曲の教授を開始した。日本国内で習った曲数がそれほど多くなかったために、自分で作曲を行いながら増やしていった。この時期に、「水の変態」が生まれる。大正2年には、結婚し宮城姓に改姓。その後、尺八家の吉田晴風(ヨシダセイフウ)・中尾都山(ナカオトザン)らと親交を結び、のちに新日本音楽という名称で活動するようになる。地歌筝曲だけでなく、邦楽界に多大な影響を与え、多くの発展を促した功績は筆舌に記しがたい。

その他のカ行の楽曲

海棠 楓の花 覚睡鈴 神楽初 影法師 鹿児島浜節 かざしの雪 楫枕 桂男 門付 門開 通う神 唐衣 刈干切唄  寒砧 寒月 観月曲 巌上の松 感心ヂ 菊水 菊の露 岸の柳 北国鈴慕 狐火 砧巣籠 九州炭坑節 九州鈴慕 清姫 京鈴慕 桐壺 琴三虚霊 銀世界 吟竜虚空 虚鈴 恭敬之御曲 供養之御曲 雲井獅子 雲井調 雲の峰 鞍馬山 黒髪 黒田節 芥子の花 玄如節 慷月調 虎嘯虚空 小鍛冶 木枯 虚空 小督の曲 湖上の月 五常楽 五常千秋楽 御所車 小簾の戸 五段砧 小蝶曲 雁音柱の曲 コスモス 寿競べ 寿調 小諸馬子唄 五郎時致 転菅掻 狐会 金剛石

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