楽曲解説 -カ行-
尺八様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
砧巣籠(キヌタスゴモリ)/
砧鶴巣籠(キヌタツルノスゴモリ)
尺八古典本曲、巣籠り地・砧地の一種。琴古流の本曲で、裏組みの一曲。前吹きとして芦の調と雁音柱の曲を吹くと云われている。曲の出自は不明で、3代目琴古の作だと云われている(2代目琴古というものもある)。砧鶴巣籠と書かれる場合もある。
曲調は曙調子。一閑流にはなし。(稽古でここまで辿り着く人が少ない)裏組最後の曲であり、曙調子の曲でもあるためか、他の琴古流本曲よりも昔の雰囲気を色濃く残している。
砧とは、洗濯し干した衣類を乾かしすために棒や木槌で叩いて残った水気を取ったり、皺を伸ばすための道具のこと。古くからある民具で、夜になるとどこの民家でもこの砧で叩く音が聞こえてきたという。その人口的で印象的なリズムから、箏や三味線などの曲に持ちいられたり、和歌などの題材になるなど、様々な芸能に影響を与えている。
名称の通り、砧地や巣籠りを思わせるような音型が用いられ、どこか尺八本曲というよりはお琴や三味線などと合わせる三曲、あるいはお囃子のような雰囲気がある。
三浦琴童譜以降の楽譜では、八段内のみツのカリ(通常のツ、F)となっているが、急に転調したかのような違和感がある事、曙調子にツ(F)が入る事がおかしい事、またそれ以前の楽譜ではカリではなく単にカン(甲)と表記されている事から、いつごろからか誤植したままになってしまったものと考えられる。
また、昔は十段の中間部から初めに戻る大返を2遍していたとある(吉田一調のころには2遍されなくなっているので、2代か3代琴古の頃だと思われる)。
参考音源:琴古流 尺八 琴古流 砧巣籠(提供:木村氏 使用管:8寸四郎管)
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