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楽曲解説 -カ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

狐火(キツネビ)

 地歌筝曲、長唄物。作曲は、道成寺や六段恋慕、古松風で知られる岸野次郎三(キシノジロウザ、治朗三)、歌詞は大石内蔵之助良雄の作とも村松淡水の作ともいわれている。
 狐火とは、火の気のないところに提灯や松明のような灯りがおこる心霊現象のこと。

月はつれなや 早や暁の鐘の声
さらばさらばの 声もたえ行く
小田の原 送り返せば
比叡の山風 身に沁(し)みて
菜種の花の 裏枯れて
月も見ばやと 契し人も
今宵袖(そで)をや 絞る(しぼる)らん
空し(あだし、※)この身を 煙となさば
せめて廓の 里近く
廓のけむりとなさば
せめて廓の 里近く
何を思いにや 焦(こが)れて燃ゆる 野辺の狐火
小夜更けて 狐火や
狐火野辺の 野辺の狐火 小夜更けて

空し=徒しとも書く。むなしい、実のないことをいう。空虚。

狐火:
 日本全域に伝わる怪奇な火のこと。火の気のないところに、提灯のような灯りが一列になって見え隠れし、正体をあばこうとしても見失ってしまう。道に迷った人をその灯りで導いたり、迷わせたりともいわれ、狐の嫁入りに灯される明かりだともいわれる。
 その正体は今だ解っていないが、一説には狐が発光性の菌や茸の付着した枝を咥えた姿を見た話が、次第に神秘現象になったのではないかともいわれている。
 別名にヒトボス、火点し(ひともし)、燐火(りんか)。また時には鬼火と呼ばれることもある。


※参考画像 鳥山石燕「画図 百鬼夜行・狐火」(Wikipediaより)

岸野次郎三=本名は岸野次郎三朗で次郎三は通称。生没年不詳(1660~1720年頃)
17世紀末~18世紀初めに京都の歌舞伎座の三味線方として活躍。京都祇園で小売を生業とする井筒屋の主人でもあった。代表曲に道成寺、松風(古松風)、狐火六段恋慕など多数。

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