Top -トップ->Study -尺八の考察->-楽曲解説->-赤壁の賦-

楽曲解説 -サ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

赤壁の賦(セキヘキノフ)

地歌、山田流の筝曲。蘇軾 東坡(そ しょく とうば)の漢詩「赤壁賦」を題材に作曲を中能島欣一(ナカノシマキンイチ)が、作詞を松本一太が製作。元は、史実の中国は三国志の名場面「赤壁の戦い(西暦208年頃)」で行なわれた合戦の情景とその無常観を唄っている。

月明らかに 星稀(まれ)に
南に飛ぶや 鵲(かささぎ)と
戟(ほこ)を横たへ 歌ひけん
勝ちほこりたる 英雄(つわもの)も
時は移りて 今いづこ
浮世に遠き 身のかろく
一葉(ひとは)の船に 月の夜を
酒汲みかはす おもしろや
消ゆれば夢か 絲遊(いという)の
儚(はかな)き身をば 天地(あめつち)に
容(い)れて短かき 命かな
流れもつきぬ 長江の
月を肴(さかな)に 夜もすがら
酌む盃の かずかずや
缺(か)けては盈(み)ちつ 盈ちては缺くる
笑ひつ泣きつ 村雲の
晴るれば圓(まろ)き 月の顔
あゝ逝(ゆ)く水は 日夜を捨てず
千秋萬古(せんしゅうばんこ) 流れは尽きず
愚かの迷ひ 何をか淀まん
かの山間(さんかん)の 名月と
かの江上(こうじょう)の 清風(せいふう)は
見れども飽(あ)かず 取れども尽きず
皎々(こうこう)として 千里を照らし
飄々(ひょうひょう)として 萬戸(ばんこ)に入る
あらおもしろの 風情(ふぜい)かな
いざ盃を酌みかはし 流るゝ水に舟を任せん
流るゝ水に舟を任せん

赤壁の戦い=魏(曹操孟徳)・呉(孫権仲謀)・蜀(劉備玄徳、※正確にはこの時はまだ蜀は興っていない)の三国志史上の激戦・番狂わせの一つ。
長江より北方を支配していた圧倒的有利な曹操軍100万が、劉備を追い詰め、呉を平定しようと南方へ迫り降伏勧告を送りつける。圧倒的な数の不利に降伏を逡巡する呉の前に、劉備の軍師伏竜・諸葛孔明が呉の君主や臣下を説き伏せ、連合を結ぶ。開戦に踏み切った呉は、大都督・周喩の劣勢を物ともしない奇策・火計と連環の計によって見事、曹操軍を撃退することに成功したという戦い。

中能島欣一=山田流筝曲、中能島家四代目。人間国宝。1904年~1984年。
初代中能島松声の長男・孝太郎(尺八家・搭童)の次男。東京音楽学校(東京藝術大学)の邦楽教官のち名誉教授。古典を司る山田流御三家の一つでありながら、西洋の手法を取り入れ現代邦楽の先駆けでもあった。代表的な作品に「三つの断章」「さらし幻想曲」など。

その他のサ行の楽曲

西行桜 栄獅子 嵯峨の秋 嵯峨の春 下り葉 桜狩 桜川・新桜川 さくら変奏曲 狭衣 笹の露 薩慈 佐渡おけさ 狭筵 佐山菅垣 沢内甚句 讃加羅菅垣 さんさ時雨 三谷 三谷菅垣 三谷清覽 残月 懺悔文 潮風 鹿の遠音 四季の艶 四季の寿 四季の眺 獅子 獅子物 志図ノ曲 信濃追分 霜夜 下野虚霊 松蔭の月 松巌軒鈴慕 焼香文 松上の鶴 松竹梅 庄内おばこ 頌和楽 石橋 秋情 俊寛 上州馬子唄 新浮舟 新暁 新七薩慈 新巣籠 新生 新雪月花 新相馬節 新高砂 神保三谷 新娘道成寺 深夜ノ曲 深夜の月 瑞光 末の契 末広狩 すががき 助六 巣籠物 芒野鈴慕 鈴鹿馬子唄 住吉 青海波 赤壁の賦 せきれい 巣鶴鈴慕 相馬流れ山 ソーラン節 袖香炉 袖の露 磯馴松 園の秋 蘇莫者

尺八製管・販売、その他周辺アイテムなど、尺八修理工房幻海

文字サイズ拡大

観づらい場合の文字サイズ
拡大方法はコチラから

尺八に問題が?

練習してるのに・・・
どうも吹きにくい

修理・お見積りのお問い合せ、尺八修理工房幻海

 毎日、尺八を練習しているのにどうも上手く音が鳴らない、鳴り辛い・・・もしかしたら、尺八に問題があるのかもしれません。そんな時はプロに相談。あなたの尺八に問題がないか調べます。お問合せへ

尺八を始めよう!

各地の稽古場・
 教授者の紹介