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楽曲解説 -サ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

助六(スケロク)

 歌舞伎で有名な演目の一つで、市川団十郎家の歌舞伎十八番の一つ。正式名称は、「助六所縁江戸櫻(すけろくゆかりのえどざくら)」。助六は、紫の鉢巻に赤い下着、黒紋付と腰に一管の尺八を差し、男伊達な扮装。長唄物の五郎時致と同じく、「曽我もの」と呼ばれるあだ討ち物の話を題材としており、助六=曽我五郎、白酒売り=曽我十郎という設定になっている。
 助六は、成田屋(市川団十郎家)の専売である為、演じる時は河東節を奏して「出端の唄」とするのが正式だが、他家が上演する際には成田屋に遠慮して長唄や常磐津・清元などに代えるのが通例。長唄物の作曲は杵屋六左衛門、初演の時に置唄がなかった為(一説には、置唄を失念して教えたとも)、以来「傘差して~」から始まる。

【置唄】
咲き匂う 桜と人に 宵の口
野暮は揉まれて 粋となる
此処を浮世の 仲の町
恋に焦がれて 助六が

傘差して 濡れに廓の 夜の雨
見世清掻(みせ、すががき)に 声添ふる
鐘は上野か浅草に 其名も伊達な花川戸
此鉢巻の紫は 由縁ぞかかる藤浪の
洗うて千代の色まさる
松の刷毛先きすき額 堤八丁衣紋坂(えもんざか)
通い馴れたる 塗ばなを
一とつ印篭(いんろう) 一とつ前
二重廻りの 雲の帯
差した尺八 鮫鞘(さめざや、※)は
これ御存知の 出立栄(でたちばえ)
急くな急きやるなさよえ 浮世はな車さよえ
廻る月日が縁となる  廻る月日が縁となる
恋の夜桜 浮気で通う
間夫(まぶ)の名取の通り者
喧嘩仕かけや色仕掛け 力づくなら何手管なら
流儀流儀で向ふづら
ただは通さぬ大門を また潜るとは命がけ
土手節やめよ編笠を 取って投げるは曲がない
蹴込で見しょう家形船
こりゃ又何の こった江戸の花
富士と筑波の山間(やまあい)の 袖なりゆかし君ゆかし
しんぞ命を揚巻(あげまき、※の これ助六が前わたり
風情なりける次第なり

※ 鮫鞘=日本刀の鞘。装飾として、外側に鮫の皮が張られ、漆を刷り込み研ぎだして装飾したもの。星を降ったようで美しい。鮫と呼ばれるが、その皮はエイのもの。当時は、エイのことも鮫と呼ぶのが一般的だった。最高級のものを梅花皮(かいらぎ)と呼ばれるが、現在では絶滅危惧種ということも相まって、その素材を手に入れることは非常に困難。

※ 揚巻=助六の舞台に登場する花魁。傾城の美女。助六の愛人。

10代目 杵屋六左衛門=幼名・吉之丞。1800年~1858年。
9代目杵屋六左衛門の次男として生まれる。長唄の中興の祖といわれ、多くの名曲を残している。代表曲に、鶴亀、五郎時致など。

その他のサ行の楽曲

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