楽曲解説 -タ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
太乙・大乙（ダイオツ・ダイイツ）
尺八古典本曲、博多一朝軒の本曲で供養の曲。別名に太乙ノ手、太一・泰一・太極とも。供養曲とは死者の冥福を祈ると言う意味で、お葬式の席ではこの曲と盤渉（バンシキ）を合わせ吹奏される。博多では昭和初期まで虚無僧が葬儀に参列する風習があったという。
太乙（太一）とは、古代中国の哲学観念で宇宙の根元、または始まりと終り、天の中心を現すほか、日本では大日如来・天照大御神と同一視される場合もある。
古来より平調（ヒョウジョウ、E）から4度音を下げて盤渉（H/B)にすると葬儀の曲になるといわれるから、1尺9寸管の様な盤渉が利用しやすい管で吹くと哀しげな雰囲気になって良い。
参考音源：大乙（地無し一尺八寸管 幻海作を使用）
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