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楽曲解説 -タ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

手向(タムケ)

 尺八本曲。普済寺所伝、海童道曲、快道流の曲。
 神仏や故人の霊に奉げる為の曲。西国三十三ヶ所支配京都明暗寺属の伊勢国白子(現 三重県鈴鹿市)にあった京都明暗寺属の鈴法山普済寺所伝の曲だといわれている。普済寺出身で京都明暗寺の院主になった人物もいたはずであるが、京都明暗寺(明暗真法流)にはこの曲が残っていないなど真偽不明な点も多い。ただ、明暗真法流の伝承の途絶えた別伝の中には伊勢流秋田という曲があり、伊勢と松坂では地理的にも近いことから後述の快道流との関係性も若干ながら可能性としては残る。
 海童道(わだつみどう)、道曲。大和路を歩むが如くゆったりと趣のある曲で、主に関東方面(海童道、横山勝也の系統に属する人に)で人気の曲である。海童道の曲は、三重県松坂の快道流(カイドウリュウ)伝のものを編曲したといわれている。

※快道流:三重県の松坂で尺八を吹いていた地方流派(主に三曲を旨とす)。出自等不明。音名はロツレチハイ。角谷可好(※。竹声会。著書に尺八之栞)、東海可泉、東海可遊といった吹き手がいたという。

※角屋可好=由緒ある松坂の大商人・角屋の主。代々・七郎次郎の名を継ぐ。
 角屋の初代は信州松本の出身で、本性は松本。永享年間(1429~41年)に伊勢の山田に移り、廻船問屋を営む。本能寺の変で、徳川家康が畿内から伊賀越えで領国へ戻る際には白子から舟を出し、三河へ無事に送り届けたといい。その功で分国中諸役免許の朱印を授かり、徳川御用商人となったという。
 おそらく可好は、10代の元貞か11代の秀貞だと思われる。また著書の「尺八之栞」に見られる松本為三郎は、遠戚の松本駝堂の流れを組む者だと思われる。

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