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楽曲解説 -タ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

千里の梅の曲(チサトノウメノキョク)

 地歌筝曲、山田流の歌物の曲。作曲は流祖・山田検校(ヤマダケンギョウ)、歌詞は菅原道真公が大宰府へ配流の際に読んだ歌「東風(こち)吹かば匂い起せよ梅の花、主なしとて春な忘れそ(春を忘るな)」と、その別離に惜しんだ梅が一夜にして都から筑紫の大宰府へ飛び去った飛び梅伝説からなっている。

とことはに 吹かせてしかな 家の風
世を経て仰ぐ 文の道
広き恵みを 思うその
心尽くしや 千里まで
匂い起せし 梅の花
心をそむる 一枝を
ただそのままの 手向けにて
天満神(あまみつがみ)の まにまにと
行くての袖も 香るまで
思いを運ぶ 思川(おもいがわ)
水の底意も 深緑
結ぶ手に吹く 春風は
けう如月(更衣、きさらぎ)の 神業に
夜の鼓の 澄みのぼる
真如の月も ところがら
和光の影に 片敷きの
花の枕に 夢結ぶ
縁は知らぬ 道しばの
露と乱れて 刈萱(かるかや)の
関守る人も 心せよ
神も情けは 深きよの
暗にもしるき 梅の香
そもこの花は 
万木(ばんぼく、まんぎ、ゆるぎ)に魁け(さきがけ)して
かばかりの かたち色香の 花なりければ
おのずから 御神もめでさせ給い
花も給い(たまい) 花もまた
心ありけり 飛び通い
あるじ忘れぬ いさおしを
知る人ぞ知る 言の葉の
しげきはやしに とりそえて
君が千歳を 守るなる
君が千歳を 守るなる
梅の匂いや 天(あめ)にみつらん

山田検校=関名は斗養一(とよいち)、山田流の創始者。1757~1817年
京都より江戸へ派遣された長谷冨検校(ハセトミケンギョウ)に学んだ山田松黒(ショウコク)から学び、江戸人好みの派手で粋な筝曲を創作して山田流を興した。それには、当時江戸で流行していた浄瑠璃や長唄・能・歌舞伎などの特徴を取り入れた独自の作風であった。自作曲の楽譜や歌詞の出版や、箏職人の重元房吉(シゲモトフサキチ)と協力し箏の改良も行い、現在主流の「素箏(山田箏)」を製作したりと邦楽発展に大きな影響をもたらした。

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