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楽曲解説 -ハ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

蓬莱(ホウライ)長唄

 地歌筝曲、長唄物。作曲は、4代目杵屋六三郎(キネヤロクサブロウ)。遊郭を不老不死の桃源郷・蓬莱山にたとえ、遊女を仙女と見立てた遊び小唄。楽しい時間の中に朝になれば夢から覚める遊女の儚さを感じさせる。

麗らかな(うららかな)
日の色そみて 木の間にも
葉毎の花の 綾錦(あやにしき)
重ねし縫いの 伊達模様
着つつ馴れにし 山姫は
人の眺めの 迷い草
結びかねたる 空どけは
いっそ浮気な そよ風や
うらみて煙る 塩釜(しおがま)は 
胸に焚く火の 消えかぬる
エエ何とせう 仇し仇波(あだしあだなみ)
寄せては返す 岩枕
浮名はぱっと 立つ鳥の
塒(ねぐら)を慕う 恋の山
萩の白露(しらつゆ)
起き伏しつらき 色と香の
繁りて深き 床のうち
今朝の別れに 袖濡らす
しょんがえ(※)
招く芒(すすき)は いたずらものよ
女郎花(おみなえし)
あぢな気になる 花の色
さめぬ桔梗の 可愛ゆらし
しょんがえ
現(うつつ)なや
眺め尽きせぬ 殿づくり
実(げ)に蓬莱を 見あぐれば
高き調べの 松が枝に
琴弾くような 鶴の足どり

※ 蓬莱山=古代中国の神仙思想の一つで、東の海にある仙人の住む仙境の一つ。常に蜃気楼や霧にたちこめられ、望んで辿り着く事は出来ないといわれている。山海経などに記述されている。秦の始皇帝が不老不死の霊薬を望んで、除福(ジョフク)を探索に派遣した事でも有名。

※ しょんがえ=しょうんがえ節。流行歌の一種。一節の最後に囃子言葉としてつける。江戸~明治にかけて使われていた。

4代目杵屋六三郎=幼名、長次郎。1780年~1856年。
7代目市川団十郎に評価され、多くの作品を残す。

その他のハ行の楽曲

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