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楽曲解説 -マ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

松風(マツカゼ)

 山田流の地歌筝曲。作曲は、3世山木検校(ヤマギケンギョウ)と中能島検校(ナカノシマケンギョウ)、作詞者の詳細は不明。諸説あり、伊予宇和島藩伊達家から島原藩松平家に嫁いだ姫が若くして夭折してしまい、それを哀れんだ島原藩の者がお箏を作らせ、それにあった歌詞を作り山木検校に作曲させ伊達家を慰めたとも、伊達家の者が姫を惜しんで作らせたともいわれている。

久方の 月の桂の影高く
風吹き送り 真砂路(まさごじ)を
磨きなしたる 光をば
昼かとばかり 見渡せば
花も紅葉も なかりけり
浦の苫屋(とまや)に 秋深(ふ)けて
うちも寝られず 海人(あまびと)は
汐馴れ衣(しおなれ、ごろも) 袖寒み(そで、さむみ)
砧(きぬた)の音も 恨みなり
十編(とふ)の菅薦(すがごも) 三編(みふ)に寝し
昔偲(しの)べば 割り爪の
わりなき仲も なかなかに
なに裏摺(うらず)りの 恨み言
袖は涙の 波返し
返る袂を 引き連(れん)に
秋の夜長し 長かれと
名残は尽きぬ 筑紫箏(ちくしごと)
海と呼ぶ名に 由縁(ゆかり)ある
磯辺の松を 吹く風も
おのづからなる 調べには
雲井の雁も 琴柱(ことじ)して
落つるまにまに 声添へて
心を澄ます 波の音
秋風楽(しゅんぷうらく)や これならむ
面白や 松風の
調べ添へたる 玉琴は
千代の例(ため)しにひく弦(いと)の
永き世かけて 尽きせじと
八百万代(やおよろづよ)も 三笠山
君が恵みや 仰ぐらむ

山木検校=関名は太賀一。1835年~1871年
江戸後期~明治初期にかけての筝曲家であり作曲家、江戸出身。山田流御三家の一つ山木家の3代目家元。はじめ二世山木検校に師事し、のちに山宮勾当に学び、3代目山木検校を襲名した。三味線の他に雅楽にも堪能だったという。

中能島検校・中能島松声 =関名は松勢一。1838年~1894年
江戸後期~明治初期にかけての筝曲家であり作曲家、信州出身。小名木検校に師事し、山田流御三家の小名木の名跡を継ぎ、中能島家の初代家元となった。訓盲何院 (東京盲学校) の教官も務めた。

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