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楽曲解説 -マ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

水の変態(ミズノヘンタイ)

 宮城道雄が14歳の時に作曲した初作品にして代表作。水が霧・霰・雲・雨・霜・雪と様々な気象現象によって変化するさまを詠った7首の連作短歌を題材に作られている。詩は、高等学校読本という当時の教科書に載っていたものから使用されている。

小山田に霧の中道踏み分けて 人来(く)と見しは案山子(かかし)なりけり
むら雲の絶え間に星の見えながら 夜行く袖に散る霰(あられ)かな
明け渡る高嶺の雲にたなびかれ 光消え行く弓張りの月
白玉の秋の木の葉に宿れりと 見ゆるは露のはかるなりけり
今日の雨に萩も尾花もうなだれて うれひ顔なる秋の夕
朝日射すかたへは消えて軒高き 家のかげに残る霜の寒けさ
更くる夜の軒の雫(しずく)のたえゆくは 雨もや雪に降りかはるらん

 手事物として作曲されており、歌詞の内容に即した情景描写が美しく、特に霰と雨の部分の手事が有名である。処女作とは思えない完成度で宮城道雄の傑作の一つと云われている。

宮城道雄=大阪生田流、神戸・東京・ソウル・仁川など幅広く活躍。1894~1956年
神戸生まれ。明治35年に失明し、地歌筝曲の道に入った。弱冠11歳の時には中菅(ナカスガ)の芸名で師匠の代理稽古まで任されるほどの天才的なお箏の才能があった。その2年後には、朝鮮の仁川に家族とともに渡り、13歳で地歌筝曲の教授を開始した。日本国内で習った曲数がそれほど多くなかったために、自分で作曲を行いながら増やしていった。この時期に、「水の変態」が生まれる。大正2年には、結婚し宮城姓に改姓。その後、尺八家の吉田晴風(ヨシダセイフウ)・中尾都山(ナカオトザン)らと親交を結び、のちに新日本音楽という名称で活動するようになる。地歌筝曲だけでなく、邦楽界に多大な影響を与え、多くの発展を促した功績は筆舌に記しがたい。

その他のマ行の楽曲

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