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楽曲解説 -ヤ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

八島/屋島(ヤシマ)

 地歌筝曲、謡い物の一種。作曲は藤尾勾当(フジオコウトウ)、歌詞は謡曲「八島」から引用されている。別名に屋島、長刀屋島、長刀八島とも。もとは、平安末期の源平の戦い(治承・寿永の乱)の屋島の戦いを題材にしている。またこの戦いは、平家物語屈指の名場面の一つである「扇の的」が行なわれた戦いでもある。
 昔は「釣りの暇~朧月夜にしくものはなし」までを序と称して、素人には教えなかったという習慣もあるという。手事には砧地が用いられ、華やかな雰囲気から合奏会にも好まれる。

釣りの暇(いとま)も波の上
霞(かすみ)渡りて沖行くや
海人(あま)の小舟の仄々(ほのぼの)と
見えてぞ残る夕暮れに
浦風さへも長閑(のどか)にて
しかも今宵は照りもせず
曇りもやらぬ春の夜の
朧月夜にしくものはなし
西行法師の嘆きとて
月夜は物を思はする
闇は偲ぶ(しのぶ)によかよか
うななぜ出たぞ
来(き)そ来そ曇れ
また修羅道の鬨(とき)の声
矢叫びの音震動して
今日の修羅の敵(かたき)は誰ぞ
なに能登守教経(のとのかみ、のりつね)とや
あら物々しや手並みは知りぬ
思ひぞ出づる壇ノ浦の
その海戦(ふないくさ)今ははや
閻浮(えんぶ)に帰る生き死にの海山(うみやま)
一同に震動して
舟よりは鬨の声
陸(くが)には波の楯(たて)
月に白(しら)むは剣の光
潮(うつほ)に映るは兜の 星の影
水や空々 行くもまた雲の波の
打ち合ひ差し違ふ海戦(ふないくさ)の駆け引き
浮き沈むとせし程に
また春の夜の波より明けて
敵と見えしは群れ居る鴎(かもめ)
鬨の声と聞こえしは
浦風なりけり高松の
浦風なりけり高松の
朝嵐とぞ なりにける

藤尾勾当=生没年不詳。江戸中期頃の尾張出身の三味線の名手作曲家だといわれている。
謡曲に題材を得たものが多く、虫の音(謡曲・松虫)や八島(謡曲・八島)などがある。

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