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楽曲解説 -ヤ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

夜々の星(ヨヨノホシ)

 地歌筝曲。地歌・箏ともに生田流の光崎検校(ミツザキケンギョウ)が江戸時代後期に作曲。作詞者は皆川淇園(ミナガワキエン)。
 構成は、前唄-マクラ・手事・中チラシ・チラシ-後唄となっており、手事から砧地があり、手事2段からは六段の2段だけを替手として使われる。

玉櫛笥(たまくしげ) 再び三度 思う事
思うがままに 書きつけて
見すれど海女(あま)の 潜き(かずき)して
刈るちょう底の 海松布(みるめ)にも
触れぬを痛み 頼みにし
筆にさえだに 恥ずかしの
軒の葱(しのぶ)に 消えやすぎ
露の身にしも ならまほし
ならまく星の 光すら
[手事]
絶えて文(あや)なく なるまでも
八夜九夜(やよここのよ)と 思い明かし
雲井を眺め 術(すべ)を無(な)み
袖の雫の 堰き入るる
硯の海に 玉や沈めん

 慕う相手の男性に恋文を送ってみても一向に返事がなく、その片思いの情の恥ずかしさや惨めさに、夜毎、星を眺めていたずらに過ごしていたが、そんなことをしていてもどうにもならないのだから、その泪を硯に溜めて、その泪で墨を磨り、もう一度手紙を書いてみようという女性の心境を歌ったもの。
 地歌・筝曲ともに光崎検校が一人で作曲している点が、当時の生田流としては画期的な作品。基本的には、三味線・箏ともに同じ旋律を奏していて、片方が弾かない時はもう一方が裏拍にちょっと音を入れたりと変化をつけている。従来の地歌筝曲の掛け合い的な動きはほとんどみられず、非常にすっきりとしている。尺八は主張しすぎず、されど埋もれすぎないように奏したい。

光崎検校=関名浪の一、冨機一。生田流、八重崎検校の弟子
幕末新筝曲として三味線と合奏しない純粋な筝曲作品を作ったり、伝統的な地歌物を作りながら新たな試みを試してみたりと革新的な人物だった。代表作として、幕末新筝曲「秋風の曲」「五段砧」、地歌では京流手事物として「七小町」「夜々の星」など名曲多数。

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