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楽曲解説 -ヤ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

ゆかりの月・由縁の月(ユカリノツキ)

 地歌筝曲。大阪の鶴岡勾当(ツルオカコウトウ)が作曲。小曲ながら唄物の艶やな雰囲気が出ている。三弦本調子、箏は平調子。
 今は昔の想い人への慕情。それが叶わず違う他人に身請けされ、廓の中のように迂闊に過去の恋も話せなくなってしまった。そんな寂しい月夜にも、せめて裏切ってしまった過去の男の口説を思い出し、幸せを感じる女の恋を歌った詩。

うしと見し 流れの昔 懐かしや
可愛い男に 逢坂の
関より辛い 世の倣い(ならい)
思はぬ人に せき止められて
今わのさわの ひとつ水
すまぬ心の 中にもしばし
住むはゆかりの 月の影
さびて映す 窓のうち
広い世界に 住みながら
狭もう楽しむ まことと誠
こんな縁(えにし)も 唐にもあろか
花咲く里の 春ならば
雨も薫りて 名や立たん

明智光秀と妻の夫婦愛の逸話:
 主家(斉藤家)が滅んだ後の光秀は、仕官を求めて諸国を歩いていた。ある時、越前の称念寺に訪れ、そこの和尚の口利きで朝倉家と連歌の会を催す機会に恵まれる。
 しかし、貧しく日々の生活も苦しい中、その会を開く為の費用もない。そんな時、妻が自分の黒髪を売って、そっと費用を用意したのだった。そのお陰で、連歌会は無事に開くことができ、光秀の才を認めた朝倉家に無事に仕官する事が叶い、のちに織田信長と出会い天下にその名を知らしめることになった。

<月さびよ 明智が妻の 咄(はなし)せむ (松尾芭蕉)>

 この話を、旅の途中に知った松雄芭蕉が、才はあるのに貧しく出世に悩む弟子に贈った歌。意味は、「寂しげな月の下ですが、あなたに明智光秀の妻の話をしてあげよう。(あなたには素晴らしい妻がいるじゃないですか、それに才や努力は、きっといつか報いられますよ。)」といったところ。

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