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尺八・虚無僧、ゆかりの地

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金龍山 一月寺(現在:日蓮正宗 一月寺)

 普化宗虚無僧寺の総本山の一つ。下総国小金(現 千葉県松戸市)にある。

千葉県松戸市にある虚無僧尺八総本山のひとつ、下総の一月寺の参考画像01。 尺八修理工房幻海  法燈円明国師が宋から帰国の際に連れてきた4居士の一人、宝伏(ホウフ)の弟子で金先(キンセン)古山禅師によって創建されたといわれている。
 鎌倉時代には、執権である北条経時を大旦那に、江戸時代には徳川幕府の庇護を受け、大きな力を持っていた。また鈴法寺と共同で尺八吹合所を設け、琴古流の初代~3代までの黒沢琴古や吉田一調も指南役をしていた。
 しかし、その隆盛も明治新政府の始まりと共に終わりを向かえ、普化宗自体が解体・廃止されるとともに僧籍の資格を失った。近隣にあった臨済宗妙心寺派の萬満寺の助力があり、その縁で旧跡が萬満寺に残る。また、その寺宝は松戸市に寄贈され、普化禅師立像や金先禅師坐像、三具三印などの史料を松戸博物館で閲覧する事ができる。現在の一月寺は日蓮正宗のお寺として残っている。

 関連項目として、荒川区にある真言宗霊雲寺派の地蔵寺には、「一月寺文書」と呼ばれる普化宗に関する文書を中心に、天保3年~明治3年(1832-1870)までの史料が残っている。天保3年の「十二郡取締穀代高帳」は虚無僧寺院の財政基盤を、「本則」は一月寺住職が弟子に与えた免許状を知ることのできる貴重な史料である。(地蔵寺=荒川区西尾久3-10-6)
 一月寺の代表的な文献としては、「普化宗問答」や「金龍山一月寺累縁記」などがある。

住所:千葉県松戸市小金242
参考URL:萬満寺ホームページ

一月寺とその近郊 -風景写真-

千葉県松戸市にある虚無僧尺八総本山のひとつ、下総の一月寺の参考画像02 釈迦如来立像。 尺八修理工房幻海 千葉県松戸市にある虚無僧尺八総本山のひとつ、下総の一月寺の参考画像03 釈迦如来立像。 尺八修理工房幻海 千葉県松戸市にある虚無僧尺八総本山のひとつ、下総の一月寺の参考画像04 金先禅師坐像。 尺八修理工房幻海 千葉県松戸市にある虚無僧尺八総本山のひとつ、下総の一月寺の参考画像05。 尺八修理工房幻海 千葉県松戸市にある虚無僧尺八総本山のひとつ、下総の一月寺の参考画像06。 尺八修理工房幻海

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