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尺八・虚無僧、ゆかりの地

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八目鼬と虚無僧 北条天満神社

 兵庫県姫路市にある北条天満神社に伝わる怪異の話。
 平安時代中期頃(天喜二年、1054年)、その辺りにはうっそうと生い茂る大きな竹薮があったという。その竹薮に住まう神は近隣の住人に毎年一月十日に子供の人身御供と食料を貢がせていた。ある時、その近くに立ち寄った虚無僧・三野(薦僧か?)がその神と名乗る者の無慈悲さと怪奇さから退治を決意する。
 供え物に紛れてお堂の中で待つ三野、そこへ現れたのは神などではなく異形の魔物であった。矢付き刀折れる激闘の末、退治するとそこには八つの目玉を持つ大きな鼬(イタチ)が横たわっていたという。このことに村人は大いに喜び、三野に感謝して近くへ住まわせ、三野が天寿を全うすれば、近くに丁重に葬って祀ったという。そこはのちに虚無僧山と呼ばれ、その塚を三野塚(虚無僧塚)と呼ばれるようになったという。
 1054年頃といえば、時代的には源氏物語が書かれてから100年以内といったところである。その頃はまだ虚無僧はおらず、いたとしても薦僧や捨て聖の類だろう。北条天満神社に虚無僧塚という塚が建てられており、実際の虚無僧山は現在は70mほど南に位置しているという。

住所:兵庫県姫路市北条宮の町369-1

北条天満神社とその近郊 -風景写真-

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