尺八の修理・販売 尺八修理工房幻海
Shakuhachi Repair Studio[SRS]GENKAI
Bamboo Flute Atelier Unlimited
長さ三尺三寸三分(約101㎝)、太さもかなり太目の豪管で、律は吹き方にもよるがD~E(レ~ミ、私ではE♭)。歌口は鹿角で明暗型。化粧籐巻き。管内は漆は塗らず(しかし、腐らないように特殊な加工をしている)。写真前面に雪割れがあるが、真裏にも雪割れが2か所に渡りある。継管。
この尺八は、製作期間猶予が実質ふた月ほどしかなく、漆を使用しないこと(継ぎ部分のみは漆を使用している)、持ち運びを便利にすること、音色をよくすること、など様々な制約があった。ただ、その短い製作期間ではあるが、私がこれまで多くの時間を製管に捧げ、培った知識や経験をいかんなく注ぎこみ、少しでも吹きやすく、また良い音色になるように様々な工夫が随所に盛り込まれている。
銘の『大和』は、こん日の尺八界の大管巨管主義を、大艦巨砲主義になぞらえ、一石を投じるため。実質的には、このサイズまでがちゃんとした演奏行為をギリギリ行える限度といえるだろう。また、この長さの地無し継ぎ管としては、世界で初めてのものでもある。
銘を名づける前に、奈良県天理市にある戦艦大和ゆかりの大和神社(おおやまとじんじゃ)にて、御手洗場で管内をすすぎ、氏神と英霊に大和調子献笛を捧げている。