尺八の修理・販売 尺八修理工房幻海
Shakuhachi Repair Studio[SRS]GENKAI
Bamboo Flute Atelier Unlimited
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普化尺八の総本山の一つ。武蔵国の青梅街道沿い、東京都青梅新町にある。本尊は、薬師如来。
もとは、葦草村(いぐさむら・現川越市)にあったお寺を後北条家の家臣・吉野織部之助の寄進により、新町村(現青梅市)に移し、あらたに建てかえられた。その後、徳川幕府が始まると、その庇護のもと普化宗・虚無僧の120余寺を京都明暗寺・下総一月寺とともに総括する総括寺の一つとなる。また、青梅街道の要衝として、甲信越や北関東などの諸国から訪れる人も多くなり、宿場も栄えた。一月寺と共同で尺八吹合所を設け、琴古流の初代~3代までの黒沢琴古や吉田一調も指南役をしていた。
しかし、慶応4年(1868)の明治維新政府による神仏分離令により、明治4年(1871)には廃宗廃寺となり、虚無僧寺としての権力は失し、残された伽藍も明治28年(1895)の火災で焼失してしまった。最後の住職であった海我のその後も不明。
現在は鈴法寺公園となり、傍らに歴代住持(住職)の石塔が質素な上屋の下に10基ほど並べられているだけである。鈴法寺に祀られていた薬師如来像や掲げられていた扁額は、近隣の東禅寺に移され保存されている。往年の威勢を感じられるものは何も無く、栄枯盛衰を感じさせる。東京都の指定旧跡に指定されており、新宿区指定文化財に「放下着(ほうげじゃく)」という鈴法寺二十六世嘯山勇虎の愛用したとされる尺八など一式が保存されている。放下着とは、禅の言葉で「放っておけ、執着するな」という意味である。
住所:東京都青梅市新町1丁目
参考URL:東禅寺ホームページ
参考音源:琴古流 葦草鈴慕(提供:木村正彦氏 使用管:8寸四郎管)
【写真提供】万次郎の歩む飲む読む=面白い本や風景写真など、管理人の数寄の視点が楽しめます。