楽曲解説 -ナ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
楠公父子愛別ノ曲(ナンコウフシアイベツノキョク)/
楠氏子別之曲(ナンシコワカレノキョク)
尺八古典本曲、明暗真法流の本曲。奥伝の秘曲とされ自照国師(ジショウコクシ、※)の作曲といわれている。別名に楠公父子愛別ノ曲(ナンコウフシアイベツノキョク)、楠公別ノ曲(ナンコウワカレノキョク)、楠氏父子別ノ曲(ナンコウフシワカレノキョク)とも。
その名のとおり、尊王忠勤の将である大楠公・楠木正成を慕った曲で、足利尊氏との湊川合戦の出陣前に楠木正成と子・正行(マサツラ)との親子が訣別(桜井の別れ)する様子を表現している。正成は、このとき懇願する正行の従軍を決して許すことはなかった。
この正行は、のちに四条畷の戦いで父に劣らぬ奮戦を見せ、その勇猛さと忠義、敗走する敵兵にも情けをかける優しさから「小楠公」と讃えられ、敵方であった2代将軍の足利義詮(アシカガヨシアキラ)からも敬慕され「死後は正行の横に墓を建てよ」と遺言されたほどである。
楠木正行 辞世の句:
かへらじと かねて思へば 梓弓 なき数にいる 名をぞとどむる
※自照国師=国師号を持つ人物であるが、詳細は不明。それどころか実在するかも不明。国師は主に禅僧に与えられるようなので、禅宗に属する人物かと思われる。
あるいは、「自照」という字が当て字間違いである可能性も。その場合、「慈照」という字が考えられる。「慈照」は、楠氏と縁のある足利氏であり、一節切尺八とも縁の深い足利義政を指す言葉(銀閣寺・慈照院にちなむ)である。足利義政は一節切の曲を作曲していることから、それと関係があるかもしれない(要調査)。
【檜尾山 歓心寺】
〒586-0053 大阪府河内長野市寺元475
HP:歓心寺のホームページ
【建水分神社(たけみくまり、上水分社)、祭神・天御中主神】
大阪府南河内郡千早赤阪村水分357
HP:http://www.takemikumari.com/
【美具久留御魂神社(みぐくるみたま、下水分社)、祭神・大国主命】
大阪府富田林市宮町3-2053
写真:美具久留御魂神社 本殿
【四条畷神社(しじょうなわて)、祭神・楠正行】
大阪府四條畷市南野2丁目18-1
写真上:四条畷神社の境内
写真下:楠公慰霊塔
【楠妣庵観音寺(なんぴあんかんのんじ)、本尊・千手観音】
大阪府富田林市大字甘南備1103
楠木正成夫人・久子の墓所あり
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