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尺八・虚無僧、ゆかりの地

虚無僧寺組織案内

 全国津々浦々にある尺八、虚無僧ゆかりの地。それら普化宗虚無僧寺の組織を解りやすく図解し、改めて尺八の根源というか、流派の流れなどを確認したいと思う。とはいえ、ほとんど寺とは名ばかりの草庵のようなもので、しかも取り壊れたところがほとんど。追跡調査もなまなかではない。もし、詳しい情報を知っている方おられたらどうぞご連絡いただきたい。

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普化宗虚無僧寺 組織図

 

普化宗虚無僧寺組織図 尺八修理工房幻海

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※PDFやJpegのデータで上記資料が欲しい方は、こちらのお問い合せから
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普化宗虚無僧寺

 規模は、寺→軒→庵の順で小さくなる。軒は一軒家などの家程度の広さ。庵は、隠居者が住む草葺の小屋、草庵といった大きさ。寺名は、書物により当て字などでかなり異なっている。

普化宗触頭と末寺

普化宗七派

※江戸時代初期の慶長~元和期には、虚無僧寺は十六派おおよそ百四十ヶ寺あったが、元禄~宝暦期に統廃合され七派九十余ヶ寺になった。

下総国小金 一月寺(金先派)現在:千葉県松戸市小金242
(萬満寺に旧跡・松戸市博物館に資料が残る)
武蔵国青梅 鈴法寺(括総派)現在:東京都青梅市新町 
(鈴法寺公園となり、東禅寺に薬師如来と扁額あり)
山城国洛外 京都明暗寺(寄竹派・虚竹派)現在:京都府京都市東山区本町 
(臨済宗東福寺塔頭として残る)
上野国高崎 慈常寺(根笹派)現在:群馬県高崎市
下野国宇都宮 松岸寺(梅地派)現在:栃木県宇都宮市
常陸国下妻 心月寺(小菊派)現在:茨城県下妻市
奥州二本松 鈴沢寺(不智派)現在:福島県二本松市

 古い資料によれば、「幅子(おそらく絡子のことと思われる)」は、金先派(一月寺)は蝋色、括総派(鈴法寺)は水色、小菊派(奥州系)は朱色、虚竹派(京都明暗寺)は浅葱色だとされている。

普化宗諸派

※江戸時代初期にあった普化宗の派閥、時代と共に断絶したり統合されていった。

斯詮派(キンセン)下総国後に金先派と改称
火下派(カッソウ)武蔵国括総(括惣・活総)派と改める
寄竹派(虚竹・キチク)山城国
梅地派(梅士・ウメジ)下野国
小菊派(コキク)常陸国
宋和派(ソウワ)上野国根笹派となって断絶
司祖派(ツカサソ)上野国根笹派となって断絶
夏潭派(カタン)奥州小菊派・短尺派となって断絶
短尺派(タンシャク)奥州不智派となって断絶
無本派奥州不智派となって断絶
雄南派(碓南・野の派)石見寄竹派となって断絶
養沢派(ヨウタク)山城国断絶
芝鄰派伊勢・山城断絶
野木派尾張断絶
児派(チゴ)尾張断絶
義文派九州断絶
陰巴派(インドモエ)筑紫断絶

普化宗諸派 (他文献に見られるもの)

※薦僧普化和尚末派十六派アリ(暮露虚無僧本則より)

ワカサリ門派-地域など不明
イヌヤロウ門派筑紫国九州地方、歌舞伎者ら
ノキハ門派北国野木派?
カンタンキノハ門派北国夏潭派、野木派?
ノキハ門派中国野木派?現在でいう中部地方か?
ヤワタノキハ門派五畿内八幡野木派?近畿一円
カカリ門派武蔵国火下派?
若衆門派美濃国楽座に属する芸者・歌舞伎者らなど
青竹を吹いていたらしき姿が浮世絵に残る
サラハ門派上州不明
ヨリタケ門派中武蔵国寄竹派、関東にもあったのか?
キンゼン門派下総国金先派、一月寺系
コキクハ門派下野国小菊派
タンシャクヨロコビ門派奥州短尺派の一派
タンシャク門派奥州短尺派、のちに不智派となって断絶
ウメジ門派常陸国梅地派

虚無僧と迷信

・三谷(産安)の曲を聴かせると安産になる
・瀧落の曲を聞かせると乳の出がよくなる
・虚無僧の尺八で妊婦の腹を撫でると安産になる(息の通りがいいので)
・虚無僧の(托鉢で得た)米を分けてもらうと脚気に効く(虚無僧が健脚で諸国を修行することから)
・虚無僧の天蓋をかぶらせてもらうと頭痛に効く
・虚無僧の帯竹(袋入りの替え竹)の紐の房で目をこすると眼病に効く
・虚無僧を怒らせサカサ竹(尺八を逆向きに吹くこと)を吹かれると3年以内に不幸になる
・虚無僧の天蓋をのぞくと眼が悪くなる