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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

秋の言の葉(アキノコトノハ)

 地歌筝曲。西山徳茂一(徳茂都、ニシヤマトクモイチ)が明治時代に作曲した新曲。詩は、旧備前岡山藩主の池田茂政によるもの。

[前弾]
散り初(そ)むる 桐の一葉におのずから 袂涼しく朝夕は
野辺の千草に置く露の 露の情けを身に知るや たれ松虫の音(ね)に立てて
いとど優しき松虫の 声にひかれて武士(もののふ)が 歩ます駒の轡虫(くつわむし)
哀れは同じ片里(かたざと)の いぶせき賤(しず)が伏屋(ふせや)にも
つづれさせちょう蟋蟀(きりぎりす) 機織る(はたおる)虫の声ごえに
合わす拍子の遠砧(とおぎぬた)
[手事]
面白や 更け行くままの大空に 隈(くま)なき月の影清き
今宵ぞ秋の最中(もなか)と 古人(いにしえびと)の言の葉を
今に伝えて敷島(しきしま)の 道の栞り(しおり)と残しける

 秋の虫の音や遠く聞こえる砧の音などを織り込みながら、静かな秋の情緒を巧みに表現している。西山徳茂一の出生地は岡山であったことから、旧備前岡山藩主の詩を題材にした曲を作ったもよう。後歌の「古人の言の葉を」は、拾遺集の源順の和歌「水の面に照る月なみを数ふれば 今宵ぞ秋の最中なりける」を意味しており、ここから曲名がつけられている。尺八・箏・三味線ともに邦楽の中でも、かなり人気の高い曲で多くの演奏会で聴くことができる。

西山徳茂一(都)=岡山出身、生田流カ?。1857~1898年
幼少のころ疱瘡のために失明し、16歳で師匠と死別したがその技量は岡山で並ぶものがいないと言われるほど抜きん出たものだった。その後、大阪に出、地歌や筝曲の作詞・作曲活動を行っている。明治31年(1898年)、依頼を受けて「逆髪」を作曲し、その完成2ヶ月後に発狂して没した。

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