楽曲解説 -ア行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
打盤（ウチバン）
地歌筝曲、砧物。作曲は幾山検校（イクヤマケンギョウ）、作詞は惺園篁鳳（セイエンコウホウ）。
冬に備えて布団を洗濯し、打盤に乗せ砧で楽しげに叩く、小原（現 京都大原）の里女の心情を描いている。同一の作詞・作曲者が作っているため、別曲の横槌と対になるように作られ、同時演奏を可能としている。
北時雨（きたしぐれ）
小原（おはら）の里に 聞き馴れし
梟（ふくろ）の鳥の 宵だくみ
早や摺り置けと 世話やきし
糊附け（のりづけ）物の 忙（せわ）しさも
今日の日和を 楽しみに
重い身をさへ 苦にせぬを
逢ふ度毎に 荒けなく
百度千度（ももたびちたび） 続け打ち
叩いて叩いて 叩かれて
あた嬉しいは 槌の音
打盤＝洗濯物を打って柔らかくするための木製の台。あるいは、能で、大鼓・小鼓・太鼓などを稽古するときに張り扇で打ち鳴らす盤のこと。
横槌＝洗濯物を打って柔らかくするための木製の槌。
幾山検校＝関名は冨栄一。生田流。１８１８～１８９０
京流手事物の作曲をした最後の作曲者といわれている。地歌・箏ともに一人で作った作品が多い。明治以降は栄福と名乗り、京都盲唖院発足時には顧問を務めた。代表曲は萩の露、影法師。
その他のア行の楽曲
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