楽曲解説 -ヤ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
八千代獅子(ヤチヨジシ)/
八千代獅子変奏曲(ヤチヨジシヘンソウキョク)
地歌筝曲で、獅子物の一種。もともとは、尺八の曲であったものを政島検校(マサシマケンギョウ)が胡弓に写し、それを藤永検校(フジナガケンギョウ)が三弦に写した八千代獅子に、さらに宮城道雄(ミヤギミチオ)が編曲したもの。第一・第二箏、十七弦、胡弓、尺八、竜笛、鼓などの楽器が加えられた大管弦曲。
【原曲歌詞】
いつまでも かはらぬ御代に あひ竹の
世々は いく千代 八千代ふる
[手事]
雪ぞかかれる 松の二葉(ふたば)に
雪ぞかかれる 松の二葉に
宮城道雄=大阪生田流、神戸・東京・ソウル・仁川など幅広く活躍。1894~1956年
神戸生まれ。明治35年に失明し、地歌筝曲の道に入った。弱冠11歳の時には中菅(ナカスガ)の芸名で師匠の代理稽古まで任されるほどの天才的なお箏の才能があった。その2年後には、朝鮮の仁川に家族とともに渡り、13歳で地歌筝曲の教授を開始した。日本国内で習った曲数がそれほど多くなかったために、自分で作曲を行いながら増やしていった。この時期に、「水の変態」が生まれる。大正2年には、結婚し宮城姓に改姓。その後、尺八家の吉田晴風(ヨシダセイフウ)・中尾都山(ナカオトザン)らと親交を結び、のちに新日本音楽という名称で活動するようになる。地歌筝曲だけでなく、邦楽界に多大な影響を与え、多くの発展を促した功績は筆舌に記しがたい。
藤永検校=関名は城和。地唄・箏曲演奏者、作曲者として江戸中期に活躍。生没年不詳。野川流三弦を岡崎検校に師事。宝暦七年(1757)検校登官。代表作に松尽し・八千代獅子など。
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