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楽曲解説 -その他-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

ページ内 目次:
 ・根笹派 錦風流、大音笹流、御家流
 ・根笹派 錦風流尺八 伝承曲
 ・錦風流 名称の興り

根笹派 錦風流(ネザサハ、キンプウリュウ)/
大音笹流(オオネザサリュウ)/
御家流(オイエリュウ)

 江戸時代に虚無僧集団である根笹派から陸奥国弘前藩(現 青森県弘前市、津軽藩という言い方は通称)に伝わった尺八流派。弘前藩第9代藩主・津軽寧親(ツガルヤスチカ、交代寄合黒石藩6代当主、1766~1833年)によって藩公認の尺八流派と定められ、代々の藩主が愛好したことから広く城下に浸透し「御家流」と愛称された。
 また、虚無僧のための尺八から武士のための尺八へと他地域にない独自の発展を遂げるに至り、コミ吹きチギリといったユニークな奏法が確立される。
 伝承は2説あり、

①根笹派の虚無僧から毛内雲林(有右衛門茂幹、モウナイシゲモト)→吉崎八弥好道(ヨシザキ ハチヤ コウドウ、一夙)→伴勇蔵健之→乳井月影→永野旭影(ナガノキョクエイ)、津島孤松(ツシマコショウ)、折登如月(オリトニョゲツ)の3氏の系統に分かれたといわれているもの

②傑秀看我(根笹派のち金先派一月寺末 円法寺出身(注)、一月寺院代)→栗原栄之助(号 錦風、円法寺出身、琴古系)→吉崎八弥好道(一夙)→伴勇蔵健之→乳井月影→永野旭影、津島孤松、折登如月の3氏の系統に分かれたといわれているもの

(注)西向寺看主という資料もある

がある。
 この他に、吉崎好道が江戸で尺八を学んだことで、当地で尺八が一般的になったが、その後、伴勇蔵や茶川徳交の譜を参考に乳井月影が現行曲の形を整えたのではないか、とする説もある。
 乳井月影が京都へ滞在している際には俣野真龍とも交流があったという(関白・近衛忠熙とのエピソードは、あるいは俣野真龍の取次ぎによってだったのかもしれない)。

根笹派 錦風流尺八 伝承曲

 本曲と外曲(ここでの外曲は他流派から入った曲をさす)に別けられ、さらに本・曙・雲井・夕暮・太極の5調子に吹き分けられる。裏調子は、津島孤松系は曙・雲井全曲、折登如月系は古山雄蔵伝で数曲が伝わっている。また伝承系統によって手がかなり異なる。使用する尺八の定寸は2尺であるという。

本曲
調(根笹調)下り葉松風の調、松風
三谷清覽(サンヤセイラン、サンヤスガガキ)獅子流鈴慕
通里門付鉢返し虚空根笹遇対(高音合図)

外曲
一閑流六段(流六段)宮城鈴慕(松巌軒鈴慕)鶴の巣籠(小野寺源吉伝)※2種
瀧落し芒野鈴慕(ススキノレイボ)

※ 鶴の巣籠には、乳井月影の孫・乳井建道から広沢静輝に伝わり完成した布袋軒伝鶴之巣籠と全く曲調の異なる津島孤松伝の2種類がある。どちらも小野寺源吉伝といわれている。

※ 夕暮・太極の2調子は、津島孤松系にのみ残るが、まず吹かれない。

※ 外曲・瀧落し(滝川中和伝)の譜面は残っておらず、どのようなものであったかは不明、滝川中和が池田一枝の系統に連なることから、おそらく琴古流の瀧落ノ曲だと思われる。芒野鈴慕は、山上月山により譜面のみは残っている。

錦風流 名称の興り

 錦風流の名称の興りは、判然とせず。2通りの説が唱えられている。

・乳井月影、関白近衛忠熙公 由来説
 関白 近衛忠熙(コノエタダヒロ)公の前で乳井月影が演奏すると、その妙技に感心した近衛公は2首の詩を詠まれた。

しらべおきて ひかぬ箏にも かよいけり 軒ばに高き 松風の声
吹きならす 竹の調も おのづから 澄み渡りたる夜半の月影

 その際に吹奏した曲は、上の詩にちなんで松風という曲名になり、下の詩は月影という号になった。さらに喜ばれた近衛公は、乳井月影に大和錦の竹入れと三日月銘の尺八(真龍作1尺9寸)を下された。その名誉より、松の曲と大和の竹入れから1字ずつとり錦風流という名称になったという。

・伴健之 命名説
 伴健之の師匠である吉崎好道(一夙)は、藩主・津軽寧親の命で一月寺(琴古系)に入門し、栗原栄之助(号 錦風)という人に師事して本曲三十六曲を修得した。その吉崎の師事した師の錦風という号を取り、伴健之は伝承された曲を集成して錦風流と名づけたという説。

※この場合、「何故、琴古流の三十六曲が残っていないのか。」という疑問が残る。一説には、根笹派であった円法寺(のち金先派一月寺末) の傑秀看我(円法寺出身、一月寺院代)から栗原栄之助(号 錦風、円法寺出身、琴古系)は、一月寺系の本曲よりも根笹派の本曲を多く教わり、それを弟子の吉崎好道に教え、伴健之に伝わったのではないかとも云われているが…。
 また回答になるか、似たような気骨のエピソードがある。乳井月影の弟子で高橋某(高橋影旭?)という人物が、上京し2代目・荒木古童(竹翁)に入門し、合奏曲を学び帰郷した。すると錦風流の仲間たちは、「合奏曲などは婦女子のするもので、武士のするもんじゃない。」と馬鹿にし、それならばと高橋氏も「二度と尺八を吹くか。」と本曲・合奏曲ともに一生吹かなかったという。

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