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楽曲解説 -タ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

玉川(タマガワ)/六玉川(ムツタマガワ)

 地歌筝曲、初期の手事物。作曲は国山勾当(クニヤマコウトウ)、作詞は穂積頼母(ホヅミタノモ)。箏の手付けは、菊原琴治(キクハラコトジ)が昨今では一般的だが、京都の手(半雲井調子)は富土谷御杖(フジタニミツエ)、大阪の手は市浦検校(イチウラケンギョウ)、九州系の替手では菊岡検校(キクオカケンギョウ)と石川勾当(イシカワコウトウ)の合作など多数ある。別名に六玉川ともいい富本節から山田流に移曲されたものも同趣の曲。また、部分的には歌舞伎の下座音楽にも取り入れられている。
 前唄につづいて掛け合いから水の流れをうつした手があり、「野田に千鳥の 声淋し~」の合いの手に千鳥の声をうつし、手事には水さらしを取り入れている。

山城の 井手(ゐで)や見ましと 駒止めて
なほ水かはん 山吹の
花の露そふ 春も暮れ
夏来にけらし 見渡せば
波の柵(しがらみ) かけてけり(※ける)
卯の花咲ける 津の国の
里に月日を 送る間(ま)に
いつしか秋に 逢ふみ(近江)なる
野路(のじ)には人の 明日も来(こ)ん
今を盛りの 萩越えて
色なる浪に 宿りにし
月の御空の 冬深み
雪気(ゆきげ)催ふす 夕されば
汐風(しおかぜ)越して 陸奥(みちのく)の
野田に千鳥の 声淋し
ゆかし名だたる 武蔵野に晒(さら)す
[手事]
さらす手(た)づくり さらさらと(※に)
昔の人の 恋しさも(※きに)
今はたそひて紀の国(※奥山)の
その流れをば(※気の毒なるをば) 忘れても
汲みやしつらむ 旅人の
高野(たかの)の奥の 水までも
名に流れたる 六つの玉川

玉川の玉は、ギョク=宝石を意味し、転じて美しい・綺麗な川という意味。全国にこの名を持つ川は多く、その中から歌枕として有名な六つの玉川を詠んだ和歌六首を、山城(京都)・摂津(大阪)・近江(滋賀)・陸奥(東北)・武蔵(関東)・紀伊(和歌山)の順に並べ、春・夏・秋・冬・雑の四季やその時節を感じさせる花・鳥・雪・夕月などを添えて唄いこまれた美しい曲。

国山勾当=生没年不詳。江戸中期の地歌・箏曲の演奏者であり作曲家。京都を中心に活躍。代表作に玉川、四季の雪など

菊原琴治=本名、徳太郎。明治11年(1878)12月25日生~昭和19年(1944)3月25日没
明治~昭和前期の地唄・箏曲、作演奏者。大阪生まれで四歳で失明、1886年に菊原吉寿一(菊植明琴)の養子となる。市立大阪盲亜学校教員、箏曲音楽学校初代校長ほかを勤た。代表作に春琴抄、秋風の辞など。

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