楽曲解説 -タ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
筑紫の海(ツクシノウミ)
地歌筝曲、明治新曲。作曲は高野茂(タカノシゲル)、作詞は高崎正風(タカサキセイフウ)。内容は、神功皇后が帰朝のおりに筑紫国に上陸し、のちの応神天皇を御産みになられた古事をもとにしたもの。箏の高低2種からなっている合奏曲で、特に本手が難しく、専門家向きの曲。
筑紫の海の 朝開き
みいず輝く 浪上に
竜頭鷁首(りゅうとうげきしゅ、※1)の 大御船(おおみふね)
ちぢの宝を うづ高く
積みてぞ帰る 高麗錦(こまにしき)
あやに畏(かしこ)き 日の本の
光を添えて 若皇子(みこ)の
産声上げ給う
筑紫の海の 朝開き
竜頭鷁首:天子や貴人の乗る船のこと。その船首に水難よけの龍や鷁(げき、水鳥のこと)を模した彫り物をつけた船。
高野茂=熊本(肥後)出身。1847~1929年。
明治新曲の筝曲・作曲家。本田勾当(ホンダコウトウ)に師事。国風音楽会を組織して筝曲の普及に尽力した。代表作に大内山、筑紫の海など。
その他のタ行の楽曲
太乙 太平楽 太平萬歳楽 対話五題 大和楽 大菩薩 高雄山 滝落ノ曲 滝尽し たぬき 打波曲/打鼓 竜の宮姫 玉川 手向 陀羅尼 筑紫の海 筑紫鈴慕 竹雪の曲 竹生島(生田流) 竹生島(山田流) 竹籟五章 稚児桜 千里の梅の曲 千鳥の曲 千代の鶯 蝶の夢 竹調べ 茶音頭 長恨歌 調子 月の曲 對馬楽 つつじ 鶴亀 鶴の声 鶴の巣籠 鶴の巣籠(地歌) 手解鈴法 遠砧 通里 融 出口の柳 常世の曲 利根の舟唄 鳥追