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楽曲解説 -ア行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

大内山(オオウチヤマ)

 明治天皇・皇后ご夫妻の銀婚式を祝して作曲された慶賀の曲。地歌筝曲、手事物、明治新曲。作曲は当時の華族女学校箏曲科の教師の高野茂、作詞は高崎正風。前唄-手事2段-後唄からなる段合せ物であったが、後に松坂春栄によって手事が増補され、替え手形式になった。

大内山の 山松に
若紫の 藤の花
かかりし春を 数ふれば
二十歳(はたとせ)余り いつもいつも
常盤の影も 濃(こま)やかに
緑の色も 麗(うるは)しく
栄えましけり
かくながら仰ぎまつらん 万代も
巡る月日の 限りなく
いや栄えませ 諸共(もろとも)に

高野茂=熊本(肥後)出身。1847~1929年。
明治新曲の筝曲・作曲家。本田勾当(ホンダコウトウ)に師事。国風音楽会を組織して筝曲の普及に尽力した。代表作に大内山、筑紫の海など。

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