Top -トップ->Study -尺八の考察->-楽曲解説->-時鳥の曲-

楽曲解説 -ハ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

時鳥の曲(ホトトギスノキョク)/時鳥(トキドリ)

 明治新曲。作曲者は、新生田流楯筋の楯山登(タテヤマノボル)で古今十二曲の一つ。作曲年度は明治39年頃。歌詞は、古今和歌集に所収のほととぎすを呼んだ和歌を使用している。菊武祥庭(キクタケショウテイ)作曲の「星と花」と手事合わせする事も可能。

[前弾]
我が宿の池の藤波咲きにけり 山ほととぎすいつか来鳴かん
去年(こぞ)の夏鳴きふるしてしほととぎす それかあらぬか声の変わらぬ
[手事]
今さらに山へ帰るなほととぎす 声の限りは我が宿に鳴け
声の限りは我が宿に鳴け
[後弾]

 夏山調子という初夏を感じさせるような旋律と驚くほど、くったくなく明るげで華やかな曲調であり、手事のほととぎすの鳴き声を模したと思われる音型が小気味よいテンポで繰り広げられ、聞いている側も演奏する側もとても面白い。曲は、巣籠物(巣籠物・ツルシャン物)に分類される。
 ホトトギスには、様々な当て字が多い。時鳥、不如帰、杜鵑、子規など。この曲では、ホトトギスを時鳥とあてたのは何故だろう。そういったことを考えてみるのも作曲者の考え方や曲の勘所を掴むきっかけになるのではないだろうか。

楯山登=本名は増田重蔵、銘に栄寿とも。1876~1926年
大阪で明治新曲の作曲に活躍。派手な手事物の作曲者として有名で、右指でスクイ爪をはさんで同音の連続の後、左指でシャンと2絃をつまむツルシャン物と呼ばれる旋律型を作った。代表作に金剛石、凱旋喇叭の調、時鳥の曲など。

その他のハ行の楽曲

萩の露 初瀬追分 鉢返し 八段の調 初鶯 初春 初音 初音の曲 花の縁 花の雲 浜千鳥 春重ね 春霞 春風 春の曙 春の曲 春の海 春の声 春の契 春の光 春の夜 盤渉調 鑁字 ひぐらし 七福神 雲雀の曲 一二三調 比女祭 比翼の蝶 風林 笛吹童子 菜蕗 富士太鼓 藤戸 布袋軒伝三谷 布袋軒伝鶴之巣籠 布袋軒鈴慕 舟の夢 冬の曲 平和の山河 本調べ 本手調子 鳳叫虚空 鳳叫三谷 鳳将雛 鳳鐸 ホーハイ節 蓬莱 蓬莱(長唄) 星と花 ほととぎす 時鳥の曲

尺八製管・販売、その他周辺アイテムなど、尺八修理工房幻海

文字サイズ拡大

観づらい場合の文字サイズ
拡大方法はコチラから

尺八に問題が?

練習してるのに・・・
どうも吹きにくい

修理・お見積りのお問い合せ、尺八修理工房幻海

 毎日、尺八を練習しているのにどうも上手く音が鳴らない、鳴り辛い・・・もしかしたら、尺八に問題があるのかもしれません。そんな時はプロに相談。あなたの尺八に問題がないか調べます。お問合せへ

尺八を始めよう!

各地の稽古場・
 教授者の紹介