楽曲解説 -ナ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
難波獅子(ナニワジシ)
地歌筝曲、長唄物。作曲は継橋検校(ツグハシケンギョウ)。歌詞は、古今集の和歌より、仁徳天皇の作と伝えられる和歌と君が代の歌ともう一歌の三種を使用している。長唄物としてはめずらしく、手事段合せとなるので京都では手事物として扱われる。
君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで
たちならぶ やつほの椿八重桜 ともに八千代の春にあらまし
高き屋に のぼりてみればけむり立つ 民のかまどは 賑ひにけり
難波(現在の大阪)の繁栄を称えたもので、歌詞の意味は平和な御世が行き届き、まるで細かな石が集まって大きな岩の固まり(さざれ石)になり、それに苔が生い茂るまで長く長く続いて欲しい。そして、この幸せな時間が永遠の春のようであって欲しい。高台からみれば民が飢えず、ご飯を炊く煙が見えて賑わっている姿を観ることができる、といった内容で非常におめでたい。調子は、三弦は本調子、箏は平調子。
継橋検校=生没年不詳。江戸時代中期の地歌演奏者、作曲者として活躍。岡崎検校に師事
その他のナ行の楽曲
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