楽曲解説 -ナ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
ノヴェンバー・ステップス/November Steps
現代音楽、琵琶と尺八のための音楽作品、西洋文化と東洋文化の融合。1967年、日本を代表する作曲家・武満徹(タケミツトオル)が作曲。初演は、1967年11月9日。薩摩琵琶は鶴田錦史(ツルタキンシ)、尺八は横山勝也(ヨコヤマカツヤ)、小澤征爾(オザワセイジ)指揮のもとニューヨーク・フィルハーモニックにより演奏された。
参考音源:ノヴェンバー・ステップス 前半
参考音源:ノヴェンバー・ステップス 後半
武満徹=クラシック・現代音楽作曲家、エッセイスト。1930.10.8~1996.2.20
世界的な作曲家で、未だ彼を越える作曲家は日本にいない。アメリカの現代音楽家ジョン・ケージから偶然性の音楽の影響を受け、逆に東洋思想の内面性(禅思想)をケージに影響を与えた。また多分野への感心も高く、様々な一流の人の考えをインタビューを通して集めエッセイとして残している。その中には、横山勝也の師である海童道祖(ワダツミドウソ)へ武満・ケージ両氏が音楽のあり方を尋ねる記事もあり、後のノヴェンバー・ステップス創作の遠因にもなっている(※ ひとつの音に世界を聴く 武満徹談話集/晶文社)。
小澤征爾=日本人指揮者。1935.9.1~
ウィーン国立歌劇場の音楽監督。文化勲章を受章。ニューヨークフィルハーモニック副指揮者。ウィーンフィル、ベルリンフィルなど世界の一流の管弦楽団と定期的に指揮を執る世界的な指揮者。日本人として世界でもっとも成功を収めた音楽家といえる。
鶴田錦史=薩摩琵琶鶴田流の始祖。1911年~1995年(享年83歳)
もとは薩摩琵琶錦心流を学んでいたが、歌語りが中心であった薩摩琵琶に派手な弾きを入れ新風を起こした。古典以外にも武満徹作曲のエクリプスやノヴェンバー・ステップスといった現代音楽の演奏も行い、国内外で大いに活躍した。
横山勝也=琴古流の尺八奏者。1934年~2010年(享年75歳)
はじめ福田蘭童(フクダランドウ)に師事し、後に海童道祖に師事した。また2代山本邦山(ヤマモトホウザン)や2代青木鈴慕(アオキレイボ)とともに尺八三本会を主催。1988年より国際尺八研修会館長を務め、国内外の尺八演奏家・愛好家を大いに助け、1994年には第一回国際尺八フェスティバルを行なうなど尺八界のために大いに尽力した(その後、国際尺八フェスティバルは4年に一度行なわれている)。
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