楽曲解説 -ナ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
野辺の錦(ノベノニシキ)
地歌筝曲、明治新曲。大阪の菊武祥庭(キクタケショウテイ)が大正6年6月に作曲、歌詞は当時の文部省撰の唱歌集より。
麗かな春を味わいながら散歩に出かけ、草花の新緑を楽しむ情景を映したもの。
菜種の花に 飛ぶ胡蝶
青空高く 啼(な)く雲雀(ひばり)
いづれかわらぬ 楽しさを
歌うが 春の野に出でて
若草萌ゆる 丘の上
長閑(のど)けき日陰 浴びながら
やすらい居れば そよそよと
袖吹く風の 心地よさ
嫁菜(よめな) 蒲公英(たんぽぽ) つく土筆(つくし)
手篭(てかご)に入れて 持ち帰る
野辺の畦道(あぜみち) 面白や
明日もまた来ん 打ち連れて
菊武祥庭=1884年1月7日~1954年9月8日
大阪生まれ、明治新曲の作曲者。菊田八重都に師事、菊田歌雄と同門。師からは相当厳しい訓練を受けたが耐え抜き、ついには才能を認められて大検校にまでなった。筝曲・尺八界に大きな影響を与え、大正10年10月には当道友楽会を創立し後進の育成にも尽力した。代表曲に稚児桜、雲雀の曲、星と花など。
その他のナ行の楽曲
長唄物 長崎ぶらぶら節 流六段 流鈴慕 長良の春 名古屋帯 那須野 夏の曲 夏の山唄 名取川 七草 七小町 難波獅子 難波楽 波間鈴慕 楠氏子別之曲 南部牛追い唄 南部木挽唄 日蓮 如意 根笹調 音取 子の日 根曳の松 ノヴェンバー・ステップス 軒の雫 野辺の錦