尺八コラム 限界突破!
竹を喰らう虫 ~その種類~ 2011/9/19
尺八の修理の中には、時として虫食いで無残になったものがある。どんな種類の虫なのか?どうして竹は喰われるのか?その対処法は?尺八愛好家にとって、天敵のような虫との戦々恐々とする日々に終止符を。
まずは竹を喰う虫の生態を知ろう。
- ① チビタケナガシンクイムシ
- ② コクゾウムシ
- ③ タケトラカミキリ・ベニカミキリ
① チビタケナガシンクイムシ
ナガシンクイムシ科、体長2.5~3.5mm。管尻などの竹の柔らかい部分や竹材の糖分の多い箇所などに小さな穴を開けてボロボロにする。肉皮や表皮は食害しない。竹材の害虫として最も有名。穴の側に白っぽい粉が落ちる。要するに管尻や歌口周辺、傷があるところなどから侵入する。
← チビタケナガシンクイムシ
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② コクゾウムシ
ゾウムシ科、体長は2~3.5mm。世界各地に生息するイネ科穀物の有名な害虫。竹もイネ科に属する為、この虫に食害されることもある。食害箇所はチビタケナガシンクイムシと同様。別名「米食い虫」
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③ タケトラカミキリ・ベニカミキリ
カミキリムシ科、体長は10~15mm。竹の表皮のない部分(竹の傷がある箇所)などから内部へと卵を産みつけ、内部から幼虫が竹を食い荒らす。その後、成虫となって表皮を破り出てくる。その為、虫食いを発見する頃には被害は甚大であることが多い。
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← ベニカミキリ
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上記のような害虫がある。しかし、これらの害虫は「いずれもを採竹後の竹につく」という、ある条件下によってつきやすいということを知ってほしい。なら、どういった状況で虫はつきやすのか?それについては、次回に続く……。
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