練習法・吹き方
幻海お知らせブログの方で過去に紹介した、尺八のさまざまな吹き方や練習法を少しまとめていきたいと思います。初心者にもできるだけ解りやすく、経験者にとっては目から鱗な上達法。ほんのちょっとの練習の仕方だけで、どんどん尺八が上手くなります。
地無し尺八の吹き方
必要な道具 [地無し尺八あるいは、竹の節を抜いたもの]
まずは地無し尺八の定義について少し話しましょう。
地無し尺八と現行の尺八の違いは・・・
【現行尺八(地塗り尺八)】
・尺八内部を地(漆地・下地など)を入れて均一にしている
・音高の計算から指孔を割り出している(例:3孔を下げているなど)
・歌口の入れ方が昔のものと違い、強度が増している
・中継ぎを入れて、調律しやすくなっている
・楽器として音量と音律を重んじられる
【地無し尺八】
・竹内部は節を削っただけで、均一な筒状ではない
・中継ぎは無いものがほとんどで、延べ管である
・歌口を入れているものもあれば、無いものもある
・指孔は十割り・九割り・九半割りなどの法則を使われている
・法器として音色を重視される
と、明確な違いについては上記のようなところでしょうか。音色の重視については、人それぞれである人は「枯れた竹のような音色」といったり、「藪を吹き抜ける風」といったり、「牧歌的な雰囲気」といったり、好みによる差異は大きいです。ようは、自分が面白いと思える音であればよいのかと・・・ちなみに私は「煤けた音」がいいと思っているのですが・・・それで、題にもある通り、地無し尺八の吹き方についてですが、上記でみていただいたように構造にしろ、その楽器の思想にしろ、地塗りと地無しでは大きく異なるものだと感じてもらえたのではないかと思います。つまるところ、私が言いたいのは楽器の構造が違うのだから、吹き方もそれに見合ったものにしないと100%の能力は引き出せないということです。
【追記】ここであえて地無しを取り上げるのは、昨今の地無し・古管ブームに則ってというばかりでなく、地塗り・地無しともに吹くことが尺八吹奏のレベルアップに繋がると私自身が考えるからです。地無しという未発達な楽器を吹くことで、息のコントロールや音程の調整といった事がいかに神経を使う必要があるのか、感じる事ができると思います。ですので、地無しを練習の中に取り入れるのは非常に有意義であると思います。
-幻海お知らせブログ「尺八、私の練習法(2011/11/08の記事より)」-
こちらの記事をはじめ、尺八の練習方法や管理の仕方などについて、詳しくは「まるごと尺八の本(葛山幻海 著)/¥1600」に記載しています。よかったらそちらも参考になさってください。
稽古・出張稽古・講習会など
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