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練習法・吹き方

幻海お知らせブログの方で過去に紹介した、尺八のさまざまな吹き方や練習法を少しまとめていきたいと思います。初心者にもできるだけ解りやすく、経験者にとっては目から鱗な上達法。ほんのちょっとの練習の仕方だけで、どんどん尺八が上手くなります。

尺八の吹き方、色々~ユリから特殊技法まで~②

 古今東西で発展してきた尺八の様々な吹き方を分類し、紹介したいと考えている。参考音源も用意する予定。

【ヴィブラート・トレモロ群】
横ユリ(都山) 横ユリ(琴古) 縦ユリ 回しユリ 回しユリ(上向)
回しユリ(下向) 息ユリ 手ユリ 底ユリ コミ吹き 押ユリ


参考音源:ヴィブラート群(1尺8寸 蘭ボ)

横ユリ(都山):
都山流の横ユリは、首を左右に振ることでヴィブラートをかける。特にロングトーンの場合は、最初はユリをいれずに1拍~1拍半ほど棒吹きし、その後次第にユリ初めることで、独特な膨らみを与える。都山流は、もともと西洋音楽に大きく影響を受けた流派なので、このユリも声楽家の歌声のようなヴィブラートのイメージ。

横ユリ(琴古):
琴古流の横ユリも、首を左右に振ることでヴィブラートをかけるが、都山流のものよりも早く細かく、音の始まりだしからユリを入れることが多い。こちらは「音を綺麗に聞かせる」というよりも、「次の音へ滑らかに繋げる」ということを主眼にされている。

縦ユリ:
首を上下に動かすことにより、横ユリよりも広く大きな音の変化を生み出す。打ちなどの連続音の代わりとして用いられることが多い。

回しユリ:
首を横とも云わず、縦とも云わず、回転させるようにしてユリ動かす、それにより滑らかで大きな音の変化を生み出す。ある時は吹き荒れる風を現し、ある時は宵闇のまどろみを現す。

回しユリ(上向き):
回しユリの音をカル部分を特に強調した吹き方。独特の抑揚を生み出す。

回しユリ(下向き):
回しユリの音をメル部分を特に強調した吹き方。独特の力強さを生み出す。

息ユリ:
息の強弱・大小であたかもユリのような効果をもたらす。ムラ息の後に続けて滑らかに繋いだり、細かくヒグラシが鳴くようにしたりと、独特な陰影を生み出す。ヴィブラート(音高の上下)というよりは、トレモロ(音量の上下)的な効果になる。

手ユリ:
手で細かく振動を与えることで均一なヴィブラートをおこす。時に連打のあとの細かくなった様を現すのに使われることがある。ヴィブラートというよりは、トレモロ的な効果になる。縦ユリと呼ばれることもある。

底ユリ:
布袋軒や松巌軒などの奥州系の本曲に出てくる特徴的なユリ。横ユリで代用されることも多いが、本来は息の強弱や遅速をコントロールして微妙な揺らぎを生み出す。他のユリよりも奥深いところで揺れる印象がある。その創意は梵鐘の余韻の響き。また口伝で「底ユリは心でユル」ともいわれる。

コミ吹き:
根笹派錦風流で使われる独特な奏法。吹奏法の一種と誤解されがちだが、本来の意味はユリである。つまり一見激しい動きであるが、その根本には動中静・静中動を意味している。コミ吹きの吹き方については、コミ吹きの私見を参照のこと。

押ユリ:
越後明暗寺系の本曲に用いられる特徴的なユリ。横ユリ、回しユリ、息ユリとを複合的に混ぜ合わせたような技法。さながら梵鐘の余韻・揺り戻しの如くに吹く。

 こちらの記事をはじめ、尺八の練習方法や管理の仕方などについて、詳しくは「まるごと尺八の本(葛山幻海 著)/¥1600」に記載しています。よかったらそちらも参考になさってください。

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