練習法・吹き方
幻海お知らせブログの方で過去に紹介した、尺八のさまざまな吹き方や練習法を少しまとめていきたいと思います。初心者にもできるだけ解りやすく、経験者にとっては目から鱗な上達法。ほんのちょっとの練習の仕方だけで、どんどん尺八が上手くなります。
疲れない持ち方
必要な道具 [尺八]
尺八修理を預かると、よく2孔・3孔の間の裏の節を削ったりなど改造している尺八をよく目にします。きっと、手の持ち方の癖で、邪魔だったり痛かったりするんでしょうが・・・見る度に「この持ち方じゃ、疲れるわな」と思ってしまいます。どんな持ち方かというと、握りこぶしに親指をグッと持ち上げる、さながらナイスって感じのポーズのような持ち方です。これだと親指一本に尺八のほぼ全体の重みを支えることになります。結構、この持ち方の人多いんじゃないですか?
そこで、私の推奨したい持ち方ですが・・・それは「テコの原理」です。
上記の絵でイメージしてもらいたいのですが・・・絵はちなみに下管の1孔と2孔の間です。 1孔と2孔の間、やや2孔よりの裏側に親指を添えます。出来れば指の腹ではなく、指の側面で添えるようにすればいいでしょう。そして、その支えている部分に対して、中指で上から少しの力を加えます。すると、テコの原理で微妙な力も何倍にも増幅されて、尺八を上へと押しあがる力が生まれます。それを上がり過ぎないように上管の中指でストッパー代わりに止めてやればいいのです。
慣れるまで少し違和感はあるかもしれませんが、この持ち方で指に余計な力が入らずに演奏もスムーズにする事ができます。尺八の熟達者の演奏を見ていると驚くほど、無駄な力が入っていないことがわかると思います。要するにこういった工夫をしているんですね。私も昔は、持ち方が変でガチガチに力んでいました。そのおかげで手首が腱鞘炎になるほどの始末。まぁ、その経験のおかげもあって疲れない持ち方を見つけたのですが・・・。
【追記】持ち方というのは、何気ないようでとても大切です。心地よい姿勢と無理のない持ち方こそ、完璧なパフォーマンスへと繋がると思います。ヘラブナ釣りの名人は、釣る事自体よりも釣る為の環境にまずは細心の注意を払うといいます。たまには、吹くことばかり考えず、こういった周りの事を考えるのもいいのではないでしょうか?
-幻海お知らせブログ「尺八、私の練習法(2011/11/17の記事より)」-
こちらの記事をはじめ、尺八の練習方法や管理の仕方などについて、詳しくは「まるごと尺八の本(葛山幻海 著)/¥1600」に記載しています。よかったらそちらも参考になさってください。
稽古・出張稽古・講習会など
直接、尺八を習いたい話しを聴きたいといった方もおられるかと思います。近郊の方であればお稽古に来ていただければと思いますし、遠方の方であれば出張稽古や講習会などを行なうことも可能です。興味があればご覧ください。[稽古・出張稽古・講習会など]