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練習法・吹き方

幻海お知らせブログの方で過去に紹介した、尺八のさまざまな吹き方や練習法を少しまとめていきたいと思います。初心者にもできるだけ解りやすく、経験者にとっては目から鱗な上達法。ほんのちょっとの練習の仕方だけで、どんどん尺八が上手くなります。

演奏会で上手く吹くための秘技

必要な道具 [尺八本体・水(ぬるま湯)]

 演奏会などで吹く時に「いつものように音が出ない」と感じられたことはありませんか。もちろん緊張やいつもと違った状況が体を硬く、呼吸を浅くしてしまっているのも原因ではありますが、その他の要因として、特に冷房の効いた室内や冬場など、尺八がキンキンに冷えてしまって上手く響かないといったこともありえます。そんな時の裏技もとい秘技をお教えしましょう。

 そもそも尺八が冷えていると鳴り難いのは何故なのかといいますと…竹は非常に多い繊維からできているからです。そしてそれは、常に微妙な温度や湿度などで伸び縮みしています。伐採し、加工されたあともそれは変わりません。それが乾燥や冷えなどで硬く締まっている為に、響き(動き)が制限されているのです。人間の体で例えれば、握りこぶしを作って筋肉を固くしていると力はあってもスムーズな動きができないような感じです。それならば、どうするか。緩めてやればいいのです。

 筋肉の場合なら、緩めたり体を温めたりすれば、コリもほぐれます。尺八の場合も、同じように温めてやればいいのです。よく演奏会なんかでは、数時間前から尺八を吹き込んだり、体に当てて体温で温めたりしている方もいますね。もちろんこれは良い方法です。尺八を温めると同時に体を温め、伸びやかにする効果もあります。でも、あんまりやりすぎると疲れちゃいますよね。

 そんな方法より、もっといい方法があります。それは「管内に水を潜らせる」です。普通は、尺八を水に濡らすということに抵抗をお持ちの方が多いと思いますが、製管師からしてみたらなんてことはありません。むしろ水に濡らさないと調律できないほどです。ですので、水に濡らすことについては問題ないと断言しましょう(もちろん、そのあと拭き取る必要はありますが…)。

 この水に潜らす(できればぬるま湯で)をする事で、どういった効果があるかというと、①管内の漆の上に極々薄い被膜を作る、②音の反射が良くなる、③尺八が温まる、といったことがあります。①と②は半分同じ事なのですが、表面張力で微細な傷などが埋まり、これにより音のすべりが良くなって響きが出やすくなります。③については説明は要りませんね。水に潜らせたあとは、尺八を柔らかいタオルなどで水気を拭き取り、管内も演奏後にはきれいに露拭きで掃除してください。ほったらかすと漆が剥げることもありますので。

 もちろんコレをしたからといって、普段の練習を怠けているようでは演奏会で上手く吹くことはできません。あくまでも演奏会場のような普段とは違う異質な場で、普段に近い演奏をする為のテクニックだと思ってください。

 こちらの記事をはじめ、尺八の練習方法や管理の仕方などについて、詳しくは「まるごと尺八の本(葛山幻海 著)/¥1600」に記載しています。よかったらそちらも参考になさってください。

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