練習法・吹き方
幻海お知らせブログの方で過去に紹介した、尺八のさまざまな吹き方や練習法を少しまとめていきたいと思います。初心者にもできるだけ解りやすく、経験者にとっては目から鱗な上達法。ほんのちょっとの練習の仕方だけで、どんどん尺八が上手くなります。
尺八の吹き方、色々~ユリから特殊技法まで~③
古今東西で発展してきた尺八の様々な吹き方を分類し、紹介したいと考えている。参考音源も用意する予定。
【ポルタメント群】
スリ上げ スリ下げ メリ込み(カザシ) メリ込み(消す、引く)
スリ スリ(消す) メリ込みスリ メリ込みスリ上げ スリメリ
ナヤシ(琴古) 韻 回し 口メリ
スリ上げ=指をする様にして明ける事で、次の音に角なく滑らかに繋げることができる。多くの曲で常用される。
スリ下げ=下の音(例:レ→ツ)に滑らかに繋げる為の奏法。指だけでなくアゴの微妙なコントロールも必要。常用外。
メリ込み(カザシ)=アゴをメル(+指をカザシ)ことによって、音の流れに窪みをつけるような効果がある。首振りに近いが、こちらはもう少しねっとりと変化する感じ。都山流の場合は、もう少しサラッとしている。古典本曲にもあるが、特に琴古流で常用される。別名に引くや折(オル)とも。
メリ込み(消す、引く)=曲中の旋律(フレーズ)の終りに音をプツリと切るのではなく、メリながら消すこと。その創意は、あたかも音の流れが繋がっているかのように聞かせるところにある。別名に引くや折(オル)とも。
スリ=スリ上げとは異なり、一瞬上の音になるがすぐに同音に押し直すこと。例:レ→レとチの中間(この音に一瞬なる)→レ。指を回転させるように変化させる、雅楽の竜笛の奏法に似ている。
スリ(消す)=旋律(フレーズ)中のカンニングブレス(息盗み)の際に、音をプツリと切るのではなく、指をスリ上げて消すこと。その創意は、あたかも音の流れが繋がっているかのように聞かせるところにある。特に5孔の場合は抜き手(ヌキテ)などとも呼ばれる。
メリ込みスリ=メリ込んだ後に正律に戻り、さらにスリ上げて、さらに正律に戻る奏法。上記のメリ込みとスリを合わせたもの。
メリ込みスリ上げ=メリ込んだ後に正律に戻り、さらにスリ上げて、そのまま消す奏法。上記のメリ込みとスリ(消す)を合わせたもの。
スリメリ=スリの後にメリを行うこと。例:レ→レとチの中間(この音に一瞬なる)→レ→レのメリ→レ。メリ込みスリの逆。
ナヤシ(琴古)=フレーズの頭などでアゴメリから正律へ戻る奏法のこと。例:ロのメリ→ロ。琴古流で特に常用される他、一部古典本曲にも使用される。ナヤシの後に首振りをいれるパターンもあり、ナヤシ(明暗)やチギリ(錦風)に似るが、微妙に異なる。
韻(イン)=余韻というように音が切れているようで曲の流れが続くことをいう。音有りよりも音無しを重用とする。
回し=フレーズのカンニングブレスの前に少し首を回すことで、独特な余韻を与えることが出来る。合いの手のような効果がある。
口メリ=虚無僧が天蓋(深編み笠)をかぶって演奏する際、天蓋が揺れないようにアゴを上下させるのではなく、口を突き出す・引くことでメリカリを出す奏法。現在ではほとんど奏されることはない。
こちらの記事をはじめ、尺八の練習方法や管理の仕方などについて、詳しくは「まるごと尺八の本(葛山幻海 著)/¥1600」に記載しています。よかったらそちらも参考になさってください。
稽古・出張稽古・講習会など
直接、尺八を習いたい話しを聴きたいといった方もおられるかと思います。近郊の方であればお稽古に来ていただければと思いますし、遠方の方であれば出張稽古や講習会などを行なうことも可能です。興味があればご覧ください。[稽古・出張稽古・講習会など]