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楽曲解説 -ヤ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

八重垣(ヤエガキ)

 地歌筝曲、山田流中七曲の一つ。作曲は山田検校(ヤマダケンギョウ)、作詞者は不明。内容は出雲大社への参拝の道中物語から四季折々の風景を描いた道中曲。曲題は、古事記で須佐之男命(スサノオノミコト)が詠ったとされる一句より。

春立つや 門は松えの若緑(わかみどり)
雲井斜めに白波の 渚に寄する荒乳(あらち)山
光のどけき日の岬 その簸(ひ)の河の流れ汲む
鰐が淵瀬(わにがふちせ)のみ寺まで
ぬかづき過ぐる草まくら
縫うてふ鳥もこゑ匂ふ 梅の花笠 日よりがさ
桜はものを思はする 朝な朝なの峯の白雲(しらぐも)
浦は錦の干潟(ひかた)の貝 名に色々を呼びたてて
磯菜(いそな)摘むてふしづの女の
壺折(つぼをり)ならぬ褄(つま)からげ
しどけなりふりよ その十六の島小舟
海苔採るわざも 手馴れ手馴れて
棹も水馴れ(みなれ)の やるせなき
浪の荒めや打ち寄する 他所の見るめも何 良し悪しの
闇を縫ひ縫ひ飛ぶ蛍 袖師が浦の模様どり
ほんにほんに しをらしや
染め色々の蔦紅葉(つたもみじ) 手間の関山つい打ち越えて
月は夜ごろに木隠れ(こがくれ)の 妻に焦がるる牡鹿(さおしか)の
ほんにほんに しをらしや
秋も暮れ わがの河原の わが思ひ
縁を結ぶの御社(みやしろ)へ 歩みを運びかねて
願ひの一筋を つい打ち明けて言うて見よかいな
人目を恥の方里や 恋ひわたるらむ さたの浦
雪の苫屋に友よぶ千鳥 ちりやちりちり 散りかかる
吹雪を花の面白や 旅の宿りを指折れば
はるばる来ぬる道標 見かへる空も八雲立つ
出雲八重垣つまごめに 八重垣つくるその八重垣を
守るや神の国すぐに いく十返りの 春や待つらむ
春ぞ待ちぬる

山田検校=関名は斗養一(とよいち)、山田流の創始者。1757~1817年
京都より江戸へ派遣された長谷冨検校(ハセトミケンギョウ)に学んだ山田松黒(ショウコク)から学び、江戸人好みの派手で粋な筝曲を創作して山田流を興した。それには、当時江戸で流行していた浄瑠璃や長唄・能・歌舞伎などの特徴を取り入れた独自の作風であった。自作曲の楽譜や歌詞の出版や、箏職人の重元房吉(シゲモトフサキチ)と協力し箏の改良も行い、現在主流の「素箏(山田箏)」を製作したりと邦楽発展に大きな影響をもたらした。

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