楽曲解説 -ヤ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
歓喜/よろこび(ヨロコビ)
宮城道雄作曲の尺八三重奏曲。宮城道雄の数多い作曲の中で唯一の尺八のみの合奏曲。3つの尺八が入り乱れ、さらに裏拍を重用するなど拍節感の難しい曲。その曲名やメロディからベートヴェン作の「第九」に影響されての作曲ではないかと思われる。
宮城道雄全集に含まれないなど、謎も多い。尺八のみのためかそれとも…
宮城道雄=大阪生田流、神戸・東京・ソウル・仁川など幅広く活躍。1894~1956年
神戸生まれ。明治35年に失明し、地歌筝曲の道に入った。弱冠11歳の時には中菅(ナカスガ)の芸名で師匠の代理稽古まで任されるほどの天才的なお箏の才能があった。その2年後には、朝鮮の仁川に家族とともに渡り、13歳で地歌筝曲の教授を開始した。日本国内で習った曲数がそれほど多くなかったために、自分で作曲を行いながら増やしていった。この時期に、「水の変態」が生まれる。大正2年には、結婚し宮城姓に改姓。その後、尺八家の吉田晴風(ヨシダセイフウ)・中尾都山(ナカオトザン)らと親交を結び、のちに新日本音楽という名称で活動するようになる。地歌筝曲だけでなく、邦楽界に多大な影響を与え、多くの発展を促した功績は筆舌に記しがたい。
その他のヤ行の楽曲
八島 八千代 八千代獅子 八千代獅子変奏曲 山越 山桜 大和調子 倭鈴慕 八重垣 八重衣 山姥 夕顔 夕暮之曲 夕空 夕月 夕凪 夕の雲 ゆかりの月 雪 雪の花 夢路 熊野 横槌 米山甚句 夜々の星 善哉 四段砧 四つの民 淀川三十石船舟唄 呼び竹・受け竹 歓喜/よろこび 夜の海 夜の懐