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楽曲解説 -カ行-

 尺八様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

神楽初(カグラゾメ・カグラハジメ)

 地歌筝曲、手事物。京都の古林検校作曲で浪速十二曲の一つ、作詞者は不明だが、日本神話の天岩屋戸(あまのいわやど)伝説の岩戸隠れの場面を題材にしている。また、伊勢神楽の発祥や「面白い」という語源も詩の中で説明している。
 前唄の終り「これぞが神楽の初めなる~」から神楽の気分を写す手事となり、神楽の合いの手と称して、箏や三味線に太鼓地やチャンポン地を入れ、里神楽の賑わいを現している。箏・三味線の手附は各地にあったが、昭和11年に富崎春昇氏が新しく付け、それが一般的になった。

ちはやぶる(※) 神代の初め 須佐之男(スサノヲ)の
荒き心を 憎ませて
天照る神の 御怒り
岩戸に隠れ ましませば
常闇(とこやみ)の世と なりにけり
万(よろず)の神の 歎(なげ)かはしつつ
岩戸の前に集りて 神楽を奏し奉る
これぞ神楽の 初めなり
時に天照大御神
少しうち笑み 給ひつつ
岩戸を開き ましませば
人の面 白々と
見ゆる心の 嬉しさよ
面白いとは 申すなり

ちはやぶる=荒々しい様。枕詞の一つで神代に掛かる。
[小倉百人一首:在原業平朝臣]
<千早ぶる 神代もきかず 龍田川 唐紅(からくれない)に 水くくるとは>

岩戸神楽の初め 参考画像、尺八修理工房幻海
※参考画像、Wikipediaより

【天岩戸の伝説】
 太陽の化身である天照大御神(アマテラスオオミカミ)の住む高天原(タカマガハラ)へ弟神である須佐之男尊(スサノヲノミコト)がやって来たが、そのスサノヲは非常に乱暴者で物を壊したり、御殿にクソを撒き散らしたりとやりたい放題であった。
 初めのうちは、アマテラスもそんな弟を庇っていたが、ある時、機織小屋(はたおりごや)に生皮を剥いだ馬を投げ入れ、そこで作業をしていた娘を驚かせて殺してしまう。
 そんな弟の行状に恐れや怒りを感じ、いたたまれなくなったアマテラスは、天の岩戸へと身を隠し、その岩の扉を閉ざしてしまった。途端に太陽の化身のいなくなった世界は、昼でも夜の闇に閉ざされてしまう。そのことに驚いた諸神は、なんとか扉を開けようとするが、アマテラス自身の力でない限り、この扉はビクともしないのであった。
 そんな困難な中、知恵を司る神・思金神(オモイカネ)は一計を案じた。それは、岩戸の前で楽や舞いを奏で「新しい神様ができた」とお祭り騒ぎをする事だった。天鈿女命(アメノウズメ)には楽しげに舞を舞わせ、扉が開かれた時に開け放つ為に怪力無双の手力雄神(タヂカラノヲ)には扉の横に立たせる、アマテラス自身を新しい神と勘違いさせる為に自身を写す八咫鏡(ヤタノカガミ)と八坂瓊曲玉(ヤサカニノマガタマ)を天児屋命(アメノコヤネ)と布刀玉命(フトダマ)に用意させた。
 かくして、常世之長鳴鳥(トコヨノナガナキドリ、鶏)の「カケコー」の鳴き声と共に宴が始められると「はて、自分が隠れていると長い夜にとらわれている筈なのに、何がそんなに楽しいのであろうか?」とアマテラスは怪訝に思い、そっと岩戸を開けて観る。すると「新しい神様ができた」と楽しげである。新しい神とはいったいどんな姿であろうと、その姿を観ようとどんどん扉の隙間は大きくなり、ついにはタヂカラノヲが扉を押さえ、八咫鏡をアマテラスにかざすと世界は再び光に包まれるのであった。そこには喜ぶ諸神とともに畏まるスサノヲの姿もあった。

※伊勢神宮の遷宮神事もこの天岩戸の儀式を模して行なわれる。

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