楽曲解説 -カ行-
尺八様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
琴三虚霊(キンサンキョレイ)
尺八古典本曲、虚鈴の一種。琴古流(キンコ)の本曲。京都明暗寺(虚霊山明暗寺)伝の虚霊。
琴古手帖によれば、宇治にある京都明暗寺の別院・吸江庵の龍安という虚無僧から伝わったと書かれている。もともとは三味線虚霊や勤讃虚霊(キンサンキョレイ、一閑流ではコチラで記述)、金紗と呼ばれていたが、鈴法寺の住職・勇虎と一月寺の住職・泰嚴が立会いのもと黒沢琴古が琴三虚霊の字に名を改めたといわれている。
琴三の意味は、お箏と三味線といった意味であろうか。その名称からもとは三味線やお箏などの器楽曲からの移入なのかもしれない。あるいは、京都明暗寺では「本来教えないはずの(武士階級以外の)者に教授し、琴や三味線との合奏をさせている」という鈴法寺からの皮肉を込めているのかもしれない(※幕府からの「尺八は琴や三味線とは合わせない、とのことだが、巷では流行っている」といった質疑があった際に、鈴法寺では「当方では教えていないし、認知もしてない。ほとほと困っている」といったことを応答している)。京都明暗寺の本曲が鈴法寺へいつごろ伝わったかは正確には不明。
最近ではもっぱら三虚霊といえば「虚鈴、霧海ヂ、虚空」の三つの曲を現すことが多いが、昔はこれを三曲と呼び、三虚霊はもっぱら「琴三虚霊・打替虚鈴・下野虚霊」の三つ曲を指す名称として使用されていたという。
※参考音源 琴古流 琴三虚霊(提供:木村氏 使用管:8寸四郎管)
この楽譜はコチラから、琴古流尺八本曲楽譜 販売中!!)
●電子楽譜(PDF)なら¥400
その他のカ行の楽曲
海棠 楓の花 覚睡鈴 神楽初 影法師 鹿児島浜節 かざしの雪 楫枕 桂男 門付 門開 通う神 唐衣 刈干切唄 蛙 寒砧 寒月 観月曲 巌上の松 感心ヂ 菊水 菊の露 岸の柳 北国鈴慕 狐火 砧巣籠 九州炭坑節 九州鈴慕 清姫 京鈴慕 桐壺 琴三虚霊 銀世界 吟竜虚空 恭敬之御曲 供養之御曲 雲井獅子 雲井調 雲の峰 鞍馬山 黒髪 黒田節 芥子の花 玄如節 虚鈴 慷月調 虎嘯虚空 小鍛冶 木枯 虚空 小督の曲 湖上の月 五常楽 五常千秋楽 御所車 小簾の戸 五段砧 小蝶曲 雁音柱の曲 コスモス 寿競べ 寿調 小諸馬子唄 五郎時致 転菅掻 狐会 金剛石