楽曲解説 -カ行-
尺八様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
雲の峰(クモノミネ)
地歌筝曲、手事物形式の明治新曲、菊原の四つ物の一つ。作曲は菊原琴治(キクハラキンジ)、作詞は市田瓢々(イチダヒョウヒョウ・ヒョウビョウ)、明治41年の春に作られた。夏の風景としての、入道雲が大きく立ち上がる姿や夕立模様が上手く詠われている。
構成は、前弾・前唄-手事二段・チラシ-後唄となっている、手事二段は段合せが可能。
摘草(春)・最中の月(秋)・銀世界(冬)と共に「菊原四つ物」と呼ばれ、夏をあらわす曲。
[前唄]
諸人の 夏を他所(よそ)にと 隔たりし
昼さえ暗き 繁り影
暑さ流るる 滝津瀬(たきつせ)や
岩にせかれて 玉ぞ散る
河鹿の声も 送り来て
[後唄]
吹く風薫る 浴衣着の
涼しさ結ぶ 苔清水(こけしみず)
薄着も知らる 夕暮の
空に残りて そびゆるも
昼にかわりと 雲の峰
菊原琴治=本名、徳太郎。明治11年(1878)12月25日生~昭和19年(1944)3月25日没
明治~昭和前期の地唄・箏曲、作演奏者。大阪生まれで四歳で失明、1886年に菊原吉寿一(菊植明琴)の養子となる。市立大阪盲亜学校教員、箏曲音楽学校初代校長ほかを勤た。代表作に春琴抄、秋風の辞など。
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