楽曲解説 -マ行-
邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。
峰の月（ミネノツキ）
都山流本曲。初代中尾都山が昭和21年夏頃に作曲したとされる。
楽譜には「満月の山に映ずる景、伊勢錫杖山（シャクジョウサン）」とあるが、地図で観ると伊勢に錫杖山は無く、どちらかというと鈴鹿山系にあり、名阪国道を走ると眺めることができる。
山のみねという漢字には「峰・峯・嶺」の3通りの字があるが、峰以外の字で月を見ると随分と意味が代わってくる。峯は、山の中天に月が昇った様子。嶺は、自分自身が山から月を見ている様子になる。峰の場合は、山の端に月が昇りかけている様子といった感じか。
楽曲は、はじめ宵の薄ぼんやりとした暗いとも明るいともつかない情景を現し、次いで月が昇ってきた安心感を現している。高音はそよ風になびく木々のざわめきや虫の音を時に強く、時に弱く表現したい。季節は、晩夏から初秋。
参考音源：都山流 本曲 峰の月
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