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楽曲解説 -マ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

霧海ヂ(ムカイヂ)/
霧海ヂ鈴慕(ムカイジレイボ)

 尺八古典本曲の虚鈴(キョレイ)虚空(コクウ)と並ぶ根源曲・三虚霊の一曲。別字に向寺、向路、霧海路とも。虚霊山明暗寺開基の虚竹禅師(寄竹)が夢の中で得た曲との伝説があるがそれには2説ある。

1)法燈円明国師に伴われて西方寺(興国寺)に訪れた宋人居士が、ある時小舟に乗って海に出たが、濃霧に呑まれ立ち行かず、舟の行くままに尺八を吹いていた。その音色を、海辺で休息していた旅の武人が聞きとめ、一念発起し心地覚心(法燈国師)の弟子となった。それが後の寄竹了円で当時の曲を人生の霧海路を行く指針であるとして、それが霧海ヂとなったという説。

2)寄竹了円が托鉢行脚の途中に立ち寄った伊勢の朝熊山(アサマサン)山頂の虚空堂で仮眠中、霊夢をみてそこから得た音から「霧海ヂと虚空」の2曲を作曲したとされる。それを西方寺(興国寺)に戻って心地覚心に話したところ、霧の立ちこめる海上彼方から聞こえた曲を「霧海ヂ」と、霧の晴れた空に響いた曲を「虚空ヂ」と名づけたという。

 この二つの真偽は不明だが、尺八根元の伝説の一つである。ヂ(チ)というのは、古代中国の横笛の一種、別名にヂ啼ともいい、その音はまるで赤子の泣く声のようとも形容される。。漢字は、竹冠にまだれ+虎という字になる。竹冠に虎と勘違いしている書物もあるが、それは間違いである。また読みもヂであって、ジではない。ヂは笛という意味でもある。詩経(毛詩)には、仲氏吹ヂという一文も見られる。
 琴古流の霧海ヂ鈴慕の曙調子・雲井調子は、三谷菅垣を参考に初代黒澤琴古が移曲したといわれている(尺八秘書より)。

[尺八秘書 原文]
音楽には六調子の楽あり、五調子の外に大食調(タイシキチョウ)、賀殿楽は壱越調の楽なり、千秋楽は盤渉調なり、太平楽は大食調なり、何れの調子へも渡る物を渡し物と云うよし、尺八の曲、五調子の曲なし、ただ古よりあるは三谷菅垣なり、これ双調の曲なり、これを雲井調子と名付け、古琴古先生霧海ヂ虚空転獅子の四曲に双調黄鐘の手を付る、これすなわち雲井調子曙調子なり

霧海ヂの名を冠するものとしては、下記のものがある。

琴古流:
霧海ヂ鈴慕(ムカイヂレイボ)、雲井鈴慕(雲井霧海ヂ)、曙鈴慕(曙霧海ヂ)
※もとは、鈴法寺末の長崎 正(松)寿軒(ショウジュケン)より伝来
※本調子以外で吹奏する場合は、たんに○○鈴慕と表記されることが多い。

明暗真法流
真霧海ヂ(シンムカイヂ)、行霧海ヂ(ギョウムカイヂ)、草霧海ヂ(ソウムカイヂ)

明暗対山:霧海ヂ

西園流:霧海ヂ

朝熊山金剛證寺(アサマサンコンゴウショウジ)の紹介はコチラから


参考音源:琴古流 霧海ヂ鈴慕(提供:木村幽月氏 使用管:8寸四郎管)


参考音源 世界初:琴古流 雲井鈴慕(提供:木村幽月氏 使用管:8寸四郎管)


参考音源 世界初:琴古流 曙鈴慕(提供:木村幽月氏 使用管:8寸四郎管)

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