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楽曲解説 -マ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

虫の武蔵野(ムシノムサシノ)

 地歌筝曲、箏・三絃・尺八による手事物。宮城道雄作曲、磯部艶子作詞。箏は、四上り半雲井調子。三弦は三下り。
 古代の大宮人(殿上人)らの嵯峨野の虫遊びを偲びながら、秋の武蔵野の虫の音色に耳を傾けながらを楽しむさまを詠んだもの。

千代の古道(ふるみち) 踏み分けて
嵯峨野(さがの)の奥の 秋の夜に
大宮人(おおみやびと)の ふりはへて
虫を選びし ふる事も
今更ながら 偲ばれて
武蔵野ゆけば 仄々(ほのぼの)と
紫匂ふ 薄霧に
見えつ隠れつ うち招く
尾花の袖も 懐かしく
躊躇ふ(ためらう)程に 夕暮れの
月まつ虫(松虫)の まづ鳴きて
露の玉ぬく 糸萩(いとはぎ)に
花の錦の 機織り(はたおり)や
つづれさせてふ きりぎりす
[手事]
草の枕に うたた寝の
夢の邯鄲(かんたん) 現世(うつしよ)を
いかにさとるか 鐘たたき
かへさを急ぐ 馬追(うまおい)の
その馬子唄(まごうた)に おぼつかな
合はす鈴虫 くつわ虫
月影さらす 玉川に
秋の哀れを 声々に
流す調べの 面白や
流す調べの 面白や

宮城道雄=大阪生田流、神戸・東京・ソウル・仁川など幅広く活躍。1894~1956年
神戸生まれ。明治35年に失明し、地歌筝曲の道に入った。弱冠11歳の時には中菅(ナカスガ)の芸名で師匠の代理稽古まで任されるほどの天才的なお箏の才能があった。その2年後には、朝鮮の仁川に家族とともに渡り、13歳で地歌筝曲の教授を開始した。日本国内で習った曲数がそれほど多くなかったために、自分で作曲を行いながら増やしていった。この時期に、「水の変態」が生まれる。大正2年には、結婚し宮城姓に改姓。その後、尺八家の吉田晴風(ヨシダセイフウ)・中尾都山(ナカオトザン)らと親交を結び、のちに新日本音楽という名称で活動するようになる。地歌筝曲だけでなく、邦楽界に多大な影響を与え、多くの発展を促した功績は筆舌に記しがたい。

その他のマ行の楽曲

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