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楽曲解説 -タ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

遠砧(トオギヌタ)

 地歌筝曲。昭和4年ごろに宮城道雄によって作曲された、箏二面・三弦・尺八の合奏曲。作詞は磯部艶子による。

照る月に 野末の藁屋 ほの見えて 風につれくる 衣打つ声
吹き送る 風のまにまに 遠くなり 近く聞こえて 打つ砧かな
面白や 誰が手遊び(てすさび)に唐衣
さやけき夜半(よわ)の 月に打つらむ

 砧とは、麻や楮(こうぞ)などで織った布を台座において槌などで打ち、繊維を柔らかくし艶を出す作業のこと。その際に、トントンとこぎみ良いリズムを響かせる。その様子を西洋音楽から取り入れられたカノン形式によって表現され、時に遠く、時に近く聞こえるような様が想像される。秋の季語でもある。

宮城道雄=大阪生田流、神戸・東京・ソウル・仁川など幅広く活躍。1894~1956年
神戸生まれ。明治35年に失明し、地歌筝曲の道に入った。弱冠11歳の時には中菅(ナカスガ)の芸名で師匠の代理稽古まで任されるほどの天才的なお箏の才能があった。その2年後には、朝鮮の仁川に家族とともに渡り、13歳で地歌筝曲の教授を開始した。日本国内で習った曲数がそれほど多くなかったために、自分で作曲を行いながら増やしていった。この時期に、「水の変態」が生まれる。大正2年には、結婚し宮城姓に改姓。その後、尺八家の吉田晴風(ヨシダセイフウ)・中尾都山(ナカオトザン)らと親交を結び、のちに新日本音楽という名称で活動するようになる。地歌筝曲だけでなく、邦楽界に多大な影響を与え、多くの発展を促した功績は筆舌に記しがたい。

その他のタ行の楽曲

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