Top -トップ->Study -尺八の考察->-楽曲解説->-長恨歌-

楽曲解説 -タ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

長恨歌(チョウゴンカ)

 地歌筝曲、山田流の奥四曲の一つ。作曲は山田検校(ヤマダケンギョウ)、作詞は高井薄阿。唐の有名な白楽天(居易)の詩、長恨歌を日本語訳にしたものを題材にしている。内容は、妻の楊貴妃を亡くした玄宗皇帝が、その悲しみと愛の言葉を綴ったもの。

今は昔 唐土(もろこし)に
色を重んじ 給いける
帝 御わしましし時
楊家(ようか)の娘 畏く(おそれく)も
君に召されて 明け暮れの
御慈しみ 浅からず
常に傍らに 侍り(はべり)ぬ
宮の中を たをやめ
三千の寵愛も 我が身一つの 春の花
散りて色香も なき玉の
有りかを尋ね みなれざを
さして遙々 行舟に
方土は浪の 浮き寝する
常世の国に 来てみれば
楼閣 玲瓏(れいろう)として 五雲おこれり
内に艶めく(なまめく) めのわらは
殊に秀れて 玉真の
姿は何れ 梨花一枝
雨をおびたる その気配
見るよりそれと 言の葉も
涙こぼれて 欄干を
浸す(ひたす)も如何に 馴れ初めし
離山の昔 思いやる
あら懐かしの 都人
恥ずかしながら 在りし世の
その睦言も 消え果つる
露の契りの 憂さ晴らし
云うて見よさら 一つと方に
思し召すかや 深き縁
春の氷の 薄きはいやよ
思い逢う夜は 打ち解けて
寝乱れ髪を そのままに
取り繕わぬ 女気を
可愛がらんせ からすばの
色に此の身を 染め糸の
結び目固き 帷子(かたひら)も
緑つきぬれば 徒(いたずら)に
また此の島に 帰り来て
なほ懐かしき 古(いにしえ)を
思い出づれば 哀れなる
そよや霓装(げいしょう) 羽衣(げいしょううい、※)の曲
稀にぞ返す 乙女子が
稀にぞ返す 乙女子が
袖打ち振りし 心しりきや
さるにても 君にはこの夜 相見えんことも
よもぎが島つ鳥(※) 浮世なれども
恋しや昔 昔の物語
尽くさば月日も 移り舞いの
印の簪(かんざし) 給わりて
都に帰る 家づとは
文にも優る 文月の
七日の夜半の 私語(ささめごと)
比翼連理(ひよくれんり)も 今は早や
かれがれなれし 浮き契り
天の永久(とこしえ) なえなるも
地の久しく ふりぬるも
尽きる時あり この怨み
綿々 浪々として 絶え間なく
今に残せし 筆の跡

※ 霓裳羽衣=天女や仙女が着る衣のこと。虹のように美しいといわれる。また、玄宗皇帝も好み、楊貴妃がよく舞ったといわれている。
※ よもぎが島つ鳥=蓬が島(よもぎがしま、蓬莱、日本)と島つ鳥(しまつどり、鵜の古名)。二つの言葉が重なっているのでややこしい。

その他のタ行の楽曲

太乙 太平楽 太平萬歳楽 対話五題 大和楽 大菩薩 高雄山 滝落ノ曲 滝尽し たぬき 打波曲/打鼓 竜の宮姫 玉川 手向 陀羅尼 筑紫の海 筑紫鈴慕 竹雪の曲 竹生島(生田流) 竹生島(山田流) 竹籟五章 稚児桜 千里の梅の曲 千鳥の曲 千代の鶯 蝶の夢 竹調べ 茶音頭 長恨歌 調子 月の曲 對馬楽 つつじ 椿尽 摘草 鶴亀 鶴亀の曲 鶴の声 鶴の巣籠 鶴の巣籠(地歌) 手解鈴法 遠砧 通里  出口の柳 常世の曲 利根の舟唄 鳥追

尺八製管・販売、その他周辺アイテムなど、尺八修理工房幻海

文字サイズ拡大

観づらい場合の文字サイズ
拡大方法はコチラから

尺八に問題が?

練習してるのに・・・
どうも吹きにくい

修理・お見積りのお問い合せ、尺八修理工房幻海

 毎日、尺八を練習しているのにどうも上手く音が鳴らない、鳴り辛い・・・もしかしたら、尺八に問題があるのかもしれません。そんな時はプロに相談。あなたの尺八に問題がないか調べます。お問合せへ

尺八を始めよう!

各地の稽古場・
 教授者の紹介