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楽曲解説 -カ行-

 邦楽の様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

小督の曲(コゴウノキョク)

 地歌筝曲、山田流の奥四曲の一つ。作曲は山田検校(ヤマダケンギョウ)、歌詞は平家物語の巻六や能「小督(こごう)」を題材にしたものであるが、正式な作詞者は不明(一説には横田袋翁とも)。
 内容は、秋の嵯峨野に平清盛を恐れて都から落ちた小督の局を高倉帝の命で探しに来た源仲国が箏の調べを頼りに見つけ出し、想夫恋の曲に小督の本心を知るという場面。同様のものを題材にしたものに嵯峨の秋がある。歌詞には、秋の七草や秋の虫が歌いこまれている。

牡鹿鳴く この山里と 詠じけむ
嵯峨のあたりの 秋の頃
千草(千種)の花も 様々に
虫の恨みも 深き夜の
月に松虫 招くは尾花
萩(はぎ)には露の 玉虫や
そよぐ萩(をぎ)虫 轡(くつわ)虫
鳴く音につれて 仲国(なかくに)が
寮の御馬(おんうま) 賜(たま)わりて
宿直(とのい)姿の 藤袴(ふじばかま)
尋づぬる人の 面影に
立つ薄霧の 女郎花(をみなえし)
それかあらぬか 幻の
蓬(よもぎ)が島根(※蓬莱山) 尋ねわび
駒引き止むる 笹の隅(くま)
やすらふ陰の 松風に
通ふ爪音(つまおと) 妻恋ひの
音に寄る鹿には あらねども
昔おぼゆる 笛竹や
合わす調べに まがひなき
声をしるべに 慕(した)ひよる
嵯峨野の奥の 片折戸
想夫恋(そうふれん)の 唱歌は
比翼(ひよく)の翼の 雲居(くもい)を恋ひ
盤渉調(ばんしきちょう)の調べは
松の連理(れんり)の 枝に通ふ
小督の局 世を忍ぶ
住家も明日は 大原に
かへん姿の 名残りとて
夜半に手ならす 爪琴(つまごと)の
岩越す思ひ 急(せ)きかねて
涙に袖を 柏葉(かしはば)や
人目もいかが 菖蒲形(あやめがた)
糸の色音を しるべにて
さし入る月の 雲井より
御使に 参りしと
かしこき君が 詔(みことのり)
野辺のをち方 分け来つる
露の玉梓(たまづさ) さしよする
妻戸の端の 縁の綱
またひき結ぶ 御かへりごと
添へて賜わる 五衣(いつつぎぬ)
後朝(衣々、きぬぎぬ)贈る ほどもなく
迎ひの車 奉り(たてまつり)
昔にかへる 百敷き(ももしき)や
昔にかへる 百敷きや
千代を契りの 松の言の葉

小督局:平安時代末期の高倉帝の寵姫。優れた美貌と箏の名手であったといわれる。
 中宮・建礼門院徳子(ケンレイモンイントクコ)の薦めで高倉帝の前で箏を弾じたのがきっかけで、帝の寵愛を一身に受けるようになる。しかし、自分の娘より寵姫を優遇する事に怒った平清盛によって宮中より追い出され、嵯峨野に隠れ住むようになった。
 帝は痛く悲しまれ、秘かに小督を宮中へ呼び戻そうと腹心の源仲国を使者として探し、連れ帰るように命じる。ある仲秋の名月の夜、嵯峨野に出かけた源仲国の耳へ微かに箏の音色が響く、小督が応える様に得意の笛を奏でると見事に想夫恋の曲を弾き返してくる。その音色を頼りに進むと一軒の粗末な小屋にはたして小督が隠れ住んでいたという。

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