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楽曲解説 -カ行-

 尺八様々な楽曲の由来や解説などを知り、より演奏を楽しむ為の考察です。

狐会・こんくゎい(コンカイ・コンクヮイ)

 地歌筝曲、三下り端唄物、芝居歌物。正確には「こんくゎい」と訛って発音する。これは狐の鳴き声「コンコン」に当てたもの。1690年(元禄元年)ごろの作で作曲は岸野次郎三、作詞は多門庄左衛門。人気の演目で箏の手付けは、市浦検校、浦崎検校、宮城道雄、富崎春昇など多くの名人が加えている。内容は、母の病気を治すために招いた法師が、実は母親に恋慕する狐の化けたものであったために追い払うといったもの。別称に葛の葉、信太妻とも、狂言では釣狐とも。
 間奏の南無阿弥陀仏の合の手を夜中に3遍弾くと狐が現れるという伝説がある。山田流では、この手を忌んで省く事にしている。
 もとは河内国(現 大阪南部)の「葛の葉狐(くずのはぎつね)」「信太妻(しのだづま)」の伝説を題材にしたもので、多くの芸能に取り入れられ、浄瑠璃や歌舞伎では「蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」という演目にもなっている。

痛はしや 母上は
花の姿に 引きかへて
萎(しお)るる露の 床の内
智恵の鏡も かき曇る
法師にまみえ 給ひつつ
母を招けば 後(うしろ)見返りて
さらばと言はぬ ばかりにて
泣くより外の ことぞなき
野越え山越え 里うち過ぎて
来るは誰ゆゑ そさまゆゑ
誰ゆゑ来るは 来るは誰ゆゑ そさまゆゑ

君恋し 寝ても覚めてもな 忘られぬ
わが思ひ わが思ひ
それをも見れば
春の花散りて 秋の紅葉も色づく
世の中は電光石火の 夢のうち
捨てて願ひをさ 捨てて願ひをさ
なむあみだぶつ なむあみだ

[南無阿弥陀仏の合の手]

君は帰るか 恨めしや
いのうやれ わが住む森に帰らん
勇みに勇みて帰らん
わが思ふ わが思ふ 心の内は白菊
岩隠れ蔦隠(つたがくれ)
篠の細道 かき分け行けば
虫の声々 面白や
降り初(そ)むるやれ 降り初むる 降り初むる
今朝だにも 今朝だにも
所は跡も なかりけり
西は田の畔(あぜ) 危ないさ
谷峰しどろに 越え行く
彼(あ)の山越えて 此(こ)の山越えて
焦がれ焦がるる 憂き思ひ

葛の葉狐、信太妻の伝説

 平安時代中期の頃、とある狩人が妻の病を治すため有名な陰陽師・蘆屋道満に占ってもらったところ、信太の森の野狐の生肝を食せば快癒すると教えられ狩りに出かける。同じ時、信太の森に訪れた安倍保名は、そこで狩人に追われる白狐を怪我を負いながらも助け、狐を逃がしてやる。
 満身創痍の保名、その前に現れる葛の葉という女性。彼女に家まで送り届けられ、看病されるうちに二人はいつしか恋に落ち、結婚し、童子丸という一人の和子を得る。しかし、童子丸が5歳のころ、葛の葉は保名に自分が信太で助けられた白狐であるということがばれてしまい、一首の詩を残して去っていく。

恋しくば尋ね来て見よ和泉なる 信太の森のうらみ葛の葉

 書置きから、以前の恩返しのために葛の葉が来た事を知った保名は、童子丸を伴って信太まで会いに行く。のちにこの童子丸は、名を安倍晴明と名乗り、当代随一の陰陽師となったという。

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